【完結】『不幸を振りまく呪われ王子に気に入られてしまいました(が、呪いなんて存在しないので問題ありません)』ありがとうございました!

 全39話にて拙作『不幸を振りまく呪われ王子に気に入られてしまいました(が、呪いなんて存在しないので問題ありません)』、
 無事完結いたしました! ぱんぱかぱーん! ささき(略)です。(自己紹介)

 最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。
 小説フォローやら応援、★、コメントまでいただけて! とっっっても励みになりました……!
 書きながらの投稿でてんやわんやでしたが、温かく見守っていただけて無事、書きあげることができました。

 ライナスとミヤの物語として、書きたい部分は詰め込めたと思います。
 しかし5万字くらいで完結するだろうと思ってたら結局12万字になってしまった……!

 読んでいただけた方には「あーこれがやりたかったのね」と理解していただけたかと思いますが、拙作は滅茶苦茶『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に影響を受けております。笑。
 もうちょっと正しく言うと作中の台詞、「必要だから愛するのではありません。愛しているから必要なのです!」ですね。これ以外の影響はあんまり受けていないかもしれない(笑)

 上記の台詞がね、凄く刺さったんですよ。
 それで自分でも書いてみたくなって、久々に一次創作のプロットを練り始めてできた作品が今回の呪われ王子でした。
 役に立つから愛してほしいとしつこく主張するライナス――それこそが、今回一番の肝でした。(個人的にはね)

 せっかくの流れなので、少しだけ各キャラについてお話させてください。


【ライナス=オスヴァルト・フォン・ドーンブッシュ】
 上記の流れで一番最初に生まれたキャラ。
 役に立つから愛してほしい! と主張する以上、本人が『他者から愛されていない』と感じている必要があるかな~と思って役に立つ理由を『呪い』に設定しました。

 まあ実際のところは、兄ロベルトは弟ライナスのことを非常に心配しているわけですが。
 最後まであんまり伝わってなかったな(笑)。まあこれはロベルトが何も言わないのが悪い。

 呪いをかけられた経緯は分かりやすく「眠れる森の美女」別名「いばら姫」オマージュですね。魔女ひとりを除け者にしたらそいつに呪いをかけられるの、なんか面白くて好き(?)なのでそのまま採用。
 ただ書いていく中で、宗教における魔女ってなに???? という気持ちが生まれたので、神託者とかいうちょっと宗教っぽい単語を採用しました。

 ライナスって名前は、茨→ブライアー(茨の茂みという意味の女性名)→ライ→ライナス、っていう連想ゲームです。
 1話で女装の時にライナスが「ブライア」と名乗っていますけど、元はこの偽名の方が先でした。
 本編を書く前にライナスに『鍵開け』『女装』スキル持ちという設定をしたんですが、変装の方は結局最初の一回しか使えなかったな~。

 キャラクターとしては……こう、「怪しげなキャラって結局すぐ可愛くなるよね」を敢えて目指しました(笑)。
 でも、なんか可愛すぎて怪しげ要素全然なかったな~。呪いを使う時にちょっと狂気的な表情見せるくらいしか書けなかったような。

 ミヤに対してかなりグイグイ行くくせに、直接的なことは何も言えない辺りは結構ヘタレでしたね。
 でもおかげで終盤、ライナス王子の気持ちを知って色々明け透けに口に出すミヤに慌てるライナスを書けたのは面白かった(笑)。
 怪しげな雰囲気、『呪い』の力――と周囲を振り回すタイプのキャラクターに見せかけて、実際は振り回されている方がお似合いのキャラでした。


【ミヤ・エッジワース】
 主人公。とはいえ先にライナスの設定があったので、ライナスのスタンス(呪いで役に立つから愛してほしい)に付き合わせるならどういうキャラかな~で考えて生まれた主人公です。

 いろいろうねうね考えてる最中、ふと浮かんできたのが麻雀プロ小林剛選手。
 麻雀って昔は「運の流れ」みたいな非現実的なものをプロすらも信じていたそうなのですが、それに徹底的に異を唱えたプロの一人、らしいです。麻雀についてはMリーグを見ている程度でしかない超にわかなので、ボンヤリとした知識で申し訳ないのですが……。

 で、ライナスが『呪い』を信じているキャラなら、逆に主人公は『呪い』をただの奇跡的な偶然と見なすキャラにしたら面白いかな~! と。
 麻雀でもね、奇跡としか言いようのないプレイは起きるわけですが、小林剛プロはそういう局面でも「まあ確率なんでね、そういうこともありますよね」的なスタンスでいるそうなので、ミヤもそんな感じにしようかなって思って、数学好きキャラ設定にしました。

 が、数学要素はそんな活かされなかったかな……ちょっと手に余った感。
 代わりに商人の娘要素がバンバン活かされる。国立大学に入る理由付けくらいの気持ちで付与した設定のはずが(笑)。

 しかしこの呪いを信じないスタンス、というのは中々厄介で。
 何しろ呪いに対するスタンス、ミヤとライナスで正反対なわけですが、二人とも全然折れない! 相手のスタンスを受け入れてみようとか考える気ゼロ!!!

 でもそれじゃあ話が終わらないわけで、なんかもうひたすらその点について、どういった点に着地するかずっと考えながらの執筆でした。
 最初に考えておけよ、という話ですが。なんかね~書いてみたら、最初に考えてたのじゃ穴だらけスカスカで、こんな着地点じゃ駄目だろ、って感じになっちゃって。

 誰かの不幸を「ライナス王子のせい」だとする言説を、否定すること――ミヤの出した結論ですが、この原型自体は超序盤で既に書いていて(ロベルト初対面で突っかかったシーンですね)。
 でもあの時点だとミヤは『呪い』自体を頑なに否定していて、それじゃあ分かりあったことにはならないし、或いは「分かりあえやしない」ってことすら分かりあえていないよな、って思って。

 私、フリッパーズギター『camera full of kisses』の歌詞“分かりあえやしないってことだけを分かりあうのさ”が好きで、自分の中で一番大切な核の一つとなっているので。
 ミヤとライナスが、お互いの考えをただ否定するだけで終わるのは、それは違うよな~と。

 そこからはミヤの呪いに対するスタンスをどう変えていこうか、の試行錯誤の日々でした。29話がその点、一番の総本山だったかなというのが自分の中の認識です。
 29話、多分今回一番書き直しました。後半丸々書き直しを3回か4回して、その上でちょいちょい書いては消してを繰り返して。
 難産でした。投稿直前まで推敲してた(笑)。

 最終的に、ミヤはライナスの呪いについて存在しないと考えつつも、呪いを信じることについては否定しない。
 ライナスもまた自身の呪いを受け入れた上で「自分の価値は呪いだけではない」と理解する、あたりになんとか……持っていけたと、思います! 読んでくださった方がどう受け止めたかは分からないんですが……!(弱気)



【ロベルト=ヴィルヘルム・フォン・ドーンブッシュ】
 結果的に今回のラスボスキャラ。
 なんか……私の性癖がねじれて詰め込まれてたような気もしますね(笑)。

 リィナの作中台詞が端的にキャラを示してますね。「一方的で独善的に横暴」。
 ただしホセの言う通り、その横暴さは徹底的に利他的でもある。
 ……そんでもって、作中終盤の動きは完全に主人公カップルの当て馬。

 うーん、これはやっぱり私の性癖だな(笑)。

 ただまあシンプル強敵でした。最後のロベルトとミヤの言い合いね。
 マジでロベルトが作者をねじ伏せてくる。ロベルトの台詞を書いて、「なんだよこいつ! こんなんどうやってミヤに反論させればええんじゃ!」とずっと思ってました。作者が作中キャラに負けるなよ(笑)。

 後は徹底的に利他的なキャラである関係上、ロベルト本人の感情を台詞で言わせないように、という点については気にして書いて……いたはずです! 12万字も書いているのでちょっと不安。書いてないと思うけど。
 台詞で言っていないだけで態度でバレバレなことも多かったんですが……(弟を心配し過ぎている点とか)

 なので、実は本当にロベルトはミヤを個人的に気に入っていたのでは? と言うのはね、可能性を完全には消さないよう、ちょっと意識して書きました。
 ただこれは作者としても分かんないですね~。ミヤのこと本心で気に入ってたかもしれないし。別にそんなこともなく、ホセやミヤの言う通り弟のことばかり考えて(あとはまあ政治的な側面も考えて)ミヤを結婚相手にしようとしていた、のかもしれないです。


【ホセ・オルランド】
 最初期プロットには存在せず、急に生えてきたキャラ――でしたが、書き終えてみるとコイツなしでどうやって完結させる気だった? ってくらい重要キャラでした。

 テーマ的な意味でも作中の根幹をぶち込まれまくり、ミヤの流され癖、側にいる人は自分で決める、などに関してミヤに意識させる立場でしたし。
 キャラ的にも、超便利キャラとして過労レベルに働かされ。(水ぶっかけ犯人調査やら城潜入やらの時ですね)
 そんでもってラスボス的な立場となったロベルトの情報を全部喋ってくれて、唯一のロベルト側の人間として参戦して――いや、マジでコイツいなかったら絶対書けてないだろ、呪われ王子。いや~助かりました……。

 口調に関しては、あくまでドーンブッシュ国南部地方の訛り、なので、現実の関西弁と違うのは……大目に見てください……!(作者:関東生まれ関東育ち)
 ホセを急に生やした際、敬語キャラだとミヤと被ってややこしいな~ってことで色々キャラについて考えたんですが、一度ふと想像した関西弁が余りにもシックリ過ぎて変えられなかった……。
 イントネーションやアクセントでなく、文字で違いが分かるように~ってことで多少わざとらしい関西弁もどきも入っちゃってただろうなと思います。「~はる」が多いのは自分のリアル知人の影響かも(笑)。


【リィナ=ヘリナ・アーリラ】
 ホセが生えてきたことにより大きく軌道修正されたキャラ。
 初期構想ではミヤと同様の流されキャラで、気弱ゆえに麻薬取引を黙認してしまっている……みたいなポジションでしたが、ホセ爆誕によりまるで正反対のキャラになりましたね。

 でもちょうど良かったかも? ロベルトと違い、ポジティブな方面でグイグイ行ってくれるキャラだったので、作品の雰囲気が暗くなり過ぎなかったような気もします。

 や~、呪われ王子って作品自体は、全体的に真面目に書き過ぎたな~とは思ってるんですけど。
 リィナいなかったら真面目かつ暗いって作品になってたかもな感。

 はじめてのともだち回は完全に私が「はじめてのともだち」をやりたくて書きましたが(笑)。
 あの回のおかげで、vsロベルトの時リィナがミヤ側についてくれたのでよかった~! ってなりました。
 行き当たりばったりで書いてるけど案外なんとかなるもんだな(行き当たりばったりなのは反省しようね……)。

 あ、あと、地味に一番お気に入りの名前です。リィナ=ヘリナ・アーリラ。フルネームだと韻踏んでて気持ちいいので。
 兄サウリも韻踏ませたかったんだけど、中々いい名前思い浮かばずサウリ=タネリ・アーリラ、多少妥協韻(笑)。



≪今後について≫
 呪われ王子については完結いたしましたが、次回作もモリモリ書いています。
 目指せカクヨムコン10! ……どうかな(笑)。
 ちなみに今書いてるのはこんな感じ↓


 次回作タイトル(仮):『ダンジョン配信唯一の視聴者は契約結婚した旦那様であることを、私だけがまだ知らない』

 もしかしたら副題で『〜王子に無能力と罵られ婚約破棄されましたが、身体を鍛えたので最強令嬢ですし王子の求める秘宝も見つけ出します〜』みたいなのも入れるかもしれませんが、ちょっと長すぎるなと思って躊躇している(笑)。難しいな~、タイトル。

 もう内容については上記タイトルで書いた通りです(笑)。
 キャッチコピー(仮)は『親切でお優しい視聴者さまが、超絶コミュ障な旦那様であるはずがありません』。

 配信越しに交流した視聴者が、実はコミュ障な旦那様だった!
 ということに主人公は気付かない!
 な同一人物三角関係ものをやりたいな~と。
 思って書き進めてるんですが、上手く書けなくて水面下でエタるかもしれない(笑)。

 でももし書き上げることができましたら、また投稿しますので。
 その時は読んでいただけたら……とっても嬉しいです……!!


 もしかしたら目指せカクヨムコン10! なエッセイも書くかもしれない。実は既に1万字くらいは下書きしている。
 でもこのエッセイも、ちょっとまだどうなるか分からないので未投稿のままです。未投稿のままカクヨムコン10が始まったら、まあ私の中でなかったことになったということで(笑)。
 気になったときにでも「ささき(略)、無事エッセイ投稿できたんかな?」と見に来ていただければ幸いです~。

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