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『積ん読ダンジョン!』
2024年11月29日にプロローグ公開、2025年年11月19日にエピローグ公開。全58話完結。約1年、306,681文字になって、書いた私がびっくりです。
元々は「カクヨムコンテスト10」応募作でした。まあこのコンテストは日本一レベルの超激戦なのでランキング等への欲は全くありませんでしたが、やっぱり普段よりは良く読んでもらえましたし、お祭り参加気分で楽しかったです。
現代ファンタジーでダンジョン物なんて無理!と最初は思ったのですが、これも修行と色々考えているうちに「本棚と本がいっぱいのダンジョン」を思いつきました。
私のダンジョンのイメージは、洋ゲーの「ダンジョンマスター」「ダンジョン&ドラゴンズ」「ウルティマ アンダーワールド」です。なので、主人公がずっとダンジョン内にいる物語にしたいなと思いました。
主人公は12月1日にダンジョンに入ってから出てくる日を決めていたので、プロットは全てGoogleスプレッドシートで、カレンダーのように作成しました。
とにかくダンジョン内を移動するので、各階のメモも作りました。これが後半で役にたったので、やっぱり設定はきちんとしておくべきですねえ(超絶方向音痴)
ただ、各階の温泉の設定は全部決めていたのに結局ほとんど登場させられなかったのが残念です。
ダンジョンのアイデアの大元は、もちろん「不思議の国のアリス」です。なのでウサギやネズミたちが活躍します。
重要人物の番人(夢現の守護者)は帽子屋です。だから懐中時計も見ます。作者の趣味で紫色の瞳の美形青年になりましたが。
大好きなペンギンも登場させたかったのですが、実は私のイメージではペンギンは喋らないのです。しかし作品中は、動物も喋ります。
なので、扉の彫刻としてペンギンには登場してもらいました。
実は私は「記憶」「原風景」「永遠」や「無限」に固執しています
特に、決して行けないのがわかっている「原風景」に固執しています。
だから今作では、その辺を書けるだけ書きました。
アイデアを練っていた時、一番最初に思いついた場面は、実は「暗闇に閉じ込められた主人公を助けに向かうウサギ」でした。これが45話の「勇気は輝く」になりました。
主人公がライ麦畑の原風景で死者である父親と出会う場面は、どうしても書きたかったのですが、最初は悩みまくりました。結局、異世界巡歴の途中にはめ込む事でおさまりました。
番人は、お気に入りですが、一番苦労したキャラでもあります。終盤の主人公との絡みの長さがどうにも読めず。15階で立ち話(!)とか色々考えて、そうだ帽子屋ならお茶会だ!となりました。結局、大変長くなりましたが。
エピローグにちらりと出てきますが、番人も結構苦労しているのです。
深海魚は、書いているうちにどんどん巨大化したキャラです。
でもエピローグのラストと最後は、書き出した時から決めていました。
とにかく、考え方が全く違うキャラをどう書いて<主人公を納得させる>かが、とても難しかったです。
主人公の視点から見る深海魚は、可愛い感じもありますが、実は全く違う面もあります。この辺りは、番人と出会う深海魚を番外編で書こうと思っています。
最後にスペシャルサンクスを。
最後の章題「素晴らしい日」はBUMP OF CHICKENの『GO』の歌詞からです。
ほぼ1年、ずうっとずうっと、ひたすら、CDから取り込んだこの曲を聴きながら、書いていました。特に歌詞のこの2行。
>ここまで繋いだ足跡が
>後ろから声を揃えて歌う
作者と主人公・菜月の背中をずっと押してくれていた言葉です。
おかげで、菜月と一緒に駆け抜ける事が出来ました。
読んでくれた全ての皆様に、最大級の感謝を。
私の小説が、読者さんの日常生活の、ちょっと息抜きになってくれれば最高に嬉しいです。
ではまた、別の小説の世界でお会いしましょう。