『生首と修道士』
2023年11月4日に書き始めて2024年5月3日に全30話完結(約10万7千文字)
いやあ半年かかった。しかしこんなに長くなった(当社比)ので一番驚いているのは私である。
文章を書くのは子供の頃から好きで、大昔、同人誌に短編を書いたり(ファンタジー物)、100文字ぐらいのごく短い小説はTwitter(X)に投稿したりはしていたけど、長い小説を書こうなどとは全然考えたこともなかった。
2023年10月、Twitter(X)で深夜さん(@bean_radish)とたこやきいちごさん(@takoyakiitigo)の2名が開催する「novel首塚」の開催お知らせの投稿を読んで、面白そうだなと思った。
イベント「観光案内 novel首塚MAP」 - カクヨム
https://kakuyomu.jp/user_events/16817330665944967611元々怪奇幻想系小説が好きだったし、しゃべる生首って興味あるし。
何より、30日(30回)分のお題があらかじめ決まっているのが良い!発想力貧困でもこれならいけそう♪という訳でアイデアをちびちび練り始めた。
カクヨムの企画ページをそっと覗いてみると、多数の文章書きさんが参加して盛り上がっているし、恋愛やホラーなどバラエティも豊富である。
よしよし、これならひっそり隅っこに参加しても迷惑にならんじゃろと安心した。
中世ヨーロッパ(大雑把)の歴史が好きで、修道院とか修道士関係の本を色々読んでいたので、「中世ヨーロッパ風世界」(強調)を旅をする若くて気の弱い修道士、彼が偶然にしゃべる生首と出会って珍道中をする物語、これなら30話いけるでしょうと思った。
この時、最終お題【30日目 天地】の天地で思いついたのがラストシーンである。
「生首が大聖堂の横から『天使の梯子』を登って天国に帰っていく。見送る修道士と驚いて見上げる教皇」
ああ、これはいいなーこれは是非書きたいなーと強烈に思ってしまった。
そして!結果論として!良かったんだけども!
ここの場面に教皇を登場させたいなあ、と考えついてしまったのが運の尽きであった…。
1話と30話の間を繋いでいくような感じで物語を考えているうちに、どんどん世界が広がり、設定がどんどこ増えていく。なんだよ蜂蜜が好物って、私は蜂蜜が苦手なんだよ。
おおい、これ最後までいけるんかい…と呆然としていたけど、書くのは楽しいので半分ぐらいで覚悟を決めた。ま、誰の迷惑にもならないしーのんびりやろー。挫折して途中で終わっても別にいいや、と。
だがしかし。バチーン!!と本格的なスイッチが入ってしまった。
【22日目 呪文】である。教皇の過去回想話回であるが、書き終わった時に「やった!」と完全にハイになってしまった。言葉にするのは難しいけど、要するに私の脳内で「上手くはまった」のである。
そして全30話が「見えた!」のである。見えてしまったのである。
私は基本的にのん気だが、実は気が短い。
見えた以上は見たい読みたい!この私が!
書け、私。言い訳は許さん。
この回を公開したのが、3月4日。この日から絶対に絶対に完結させる、世界一のへっぽこ小説だろうがとにかく絶対に生首が天に上る場面を書いて、最後の行に「おわり」の文字を書いて公開すると誓った。
その後はもう胃薬飲みつつ、体調崩して唸りつつ、会社での大トラブルでぶっ倒れそうになりつつ、当初の完結予定日よりは遅れたが無事に完結したのでありました(だが完結編を公開した後変なテンションになってはしゃぎまくり、かなり迷惑であった。反省)
深夜さんとたこやきいちごさんの2名に改めて感謝を。
「novel首塚」の開催を本当にありがとうございました。おかげで老後の楽しみが出来ました。
さあ、これから同人誌にする作業が始まる。