佐倉涼@４シリーズ書籍化

世界最大の空港エア・グランドゥールには、一軒の小さなビストロ店がある。
その店の扉が慌ただしく開いたかと思うと、店の従業員であるソラノが中に飛び込んできた。

「た……大変です、カウマンさん、サンドラさん！」
「どうしたんだいソラノちゃん。そんなに慌てて」
「そうだよぉソラノちゃん。せっかく新しくしたのに、店のドアがこわれっちまうよ」

いつになく慌てふためいた様子のソラノは、カウンターに近づくと一度深呼吸をして気持ちを落ち着けてから、言った。

「私たちの物語が……漫画になりました！！」
「な……なんだってぇ！？」
「嘘じゃないだろうねぇ！？」
「嘘じゃないです！　ほら！！」

ソラノが手にしたタブレットを押し付けると、カウマン夫妻はそれを食い入る様に眺めた。

「本当だ……漫画になってやがる。飯がうまそうだな」
「あら、アタシいい女じゃないのさ！」

二人はそれぞれの感想を述べると、ソラノにタブレットを返した。

「はぁ〜、まさか俺たちが漫画になるとはなぁ」
「それもこれも全部、ソラノちゃんのおかげさねぇ」
「えへへ。カウマンさんの料理がおいしくて、サンドラさんが親切なおかげですよ」

ソラノはタブレットを見ながら笑みを浮かべた。
カラフルでイキイキと描かれた料理。
精緻な空港。
そしてカウマン夫妻の優しげな風貌。
自分がたくさん描かれているのはちょっぴり照れ臭いが、
見ていると嬉しさが込み上げてくる。

「……やった……！　ついにここまできたんだ！」
　
達成感、充実感、満足感。
さまざまなポジティブな感情が、ソラノの胸の内を満たしていく。

「よし、今日もがんばろ！！」

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というわけで「天空の異世界ビストロ店」のコミカライズがスタートいたしました！
https://comic-growl.com/episode/2550689798423869831
コミックグロウルさんにて月一連載予定になっています。
コメントが残せるので、ぜひ応援よろしくおねがいします。

最初にお話をいただいた時「うおおおまじか！！」って思いました。
これが喜ばずにいられるか！！
島田ハチ先生によるコミカライズで、ご覧のとおりたいへん美味しそうな料理ととてもかわいくて元気なソラノが目印です。
ソラノが漫画になって動いてる……！！！
本作は私が初めてまともに最後まで書き切った作品で、大切な商業デビュー作でもあるので、それがこうして漫画になるとよろこびもひとしおです。感無量。
お話をくださったブシロードさんおよびカドカワBOOKSの編集部さんには感謝しきりです。本当にありがとう。

まだまだお話始まったばかりですので、
これからあのキャラもこのキャラも登場しちゃうよ！って感じですね。
ちなみにコミカライズは書籍に準拠しています。
異世界ビストロの物語を、漫画でもよろしくお願いします！！！