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『私が/私を愛した悪魔(ひと)』あとがき

こんにちは、さくらです。
『私が/私を愛した悪魔(ひと)』のあとがき、ということで…。

もともとこの作品は、鬱がひどかったときに実際に私が見た夢がモチーフでした。
あのラストも、その夢の続きというか、余韻が物悲しい夢だったのを覚えていて、それでああいうふうなエンディングにしました。
主人公と、感情を食べる悪魔、カタリナが心を通わせていくのは、書いていて楽しかったです。特にいじめのシーンですが、ちょっとだけ私の経験を脚色してたり。いじめを兵士に喩えていたのは、歌手の中村中さんの歌、『戦争を知らない僕らの戦争』が元です。いじめの心理、特に曲の最後に、いじめる側といじめられる側の不平等さと、平等に訪れる卒業という日の理不尽さを謳った曲に、ひどく共感していました。
ハッピーエンドを書くことのほうが多いのですが、珍しくそうではない作品ということで、個人的にもすごく心に残っている作品です。書けてよかったと本当に思います。
よかったら感想などいただけると嬉しいです。

5件のコメント

  • こんにちは。
    松谷 みよ子先生の「わたしのいもうと」という絵本がありまして、これがいじめの影響を描いたものなんですが、それを読了していることと、自分に子供が生まれたことで、より深く感じるものがありました。
    いじめで死を選んでしまう人もいる中、「卒業できた」こと、大学で主人公なりに新しい人生を歩んでいること、母の視点で見ると本当に「卒業おめでとう、頑張ったね」を何百回でも主人公に言いたい気持ちです。
    主人公の立場からの納得できない感じも、とても感情に訴えかけてきました(納得できないですよ!)
    素敵なお話をありがとうございました。
  • 銀色さん
    さっそく検索して「わたしのいもうと」を調べてみると、運良く、とある学校の集会で使用したらしいプリントにテキストが載っていたので読みました。壮絶で、筆舌に尽くしがたかったです。
    いじめた側は、本当に何もなく進学し、いじめた過去すら忘れてしまう。でもいじめられた側は、そこから抜け出せない。親も、兄弟姉妹も、みんなそこから抜け出せない。私も親目線で感じることは多々ありますが、「わたしのいもうと」と同じように、また中村中さんの曲にもあるとおり、いじめた側といじめられた側の卒業には、平等と不平等の2つの面があるということに気付かされます。いじめに、納得なんて永遠に訪れないものですよね…。
    私の方こそ、素敵なレビューも感想もいただき、また「わたしのいもうと」という本も紹介していただいてありがとうございました。
  • さくらさん
    私も「戦争を知らない僕らの戦争」検索してました。
    歌を聴けるサイトなどは見つけられませんでしたが、歌詞のページだけは見られて、ミサイルの話なら僕に降り続けてる、という歌詞にドキッとしました。
    ツタヤとかで探してみようかと考えております……
  • 銀色さん
    「戦争を知らない僕らの戦争」は、中村中のアルバム、『少年少女』の中に含まれています。いじめを戦争(戦場)に喩えているところが本当になんとも言えず心に響くと言うか…。
    その部分の歌詞は、実は「先生、ミサイルの話なら(ミサイルの話をするのなら)僕に降り続けてる消しゴムや紙くずを止めてよ、また見てみぬふりだね」と続きます。いじめを見てみぬふりをしている教員に対する諦観、ですかね…。ぜひ聞いてみてください。ツタヤ以外だと、「レコチョク」のサイトなら、1曲だけ購入、ということもできたと思います。
  • さくらさん
    ありがとうございます! 探してみます。中村中さんの声も好きでして……
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