『ドラゴンベリー/桃蛇戀戀』の第一のコンセプトは『武侠小説ならではの面白さや醍醐味を異世界ファンタジーものに翻案する』ことです。
初めて金庸の武侠小説を読んだのは十数年前になりますが、初見にもかかわらず「懐かしい!」と感じて驚いたのを憶えています。
「俺、これ知ってる! 昔読んだことある! というかこれで育った! 俺の血肉を構成している栄養素はこれだ!」
忘れていた(存在しないはずの)原点に回帰したような、そんな衝撃的な体感がありました。
その時の感覚を再現しようと目論んで企画したので、もし1話2話を読んで「うわ、これ知ってる! 憶えてないけど……20年くらい前に読んだことあるラノベだ!」と思っていただけたとしたら、それはたぶん成功なのです。