さすが、新川作品の読者様は
鋭い方が多くいらっしゃいます
個別に作者が反応してしまうと
エンディングのネタバレに
なりかねない要素があるため
この欄にて
少しだけ雑談めいた
ややっこしい話をさせてください。
中学校で習う口語文法って
実はボロボロなんですよね~
「桜が咲く」
これって形の上では現在形です。
動詞の終止形は動作をさすのが原則なので。
(「ある」って言う動詞だけは別枠ですね)
でも「桜が咲く」って言葉は
実際に使われる場合は必ず未来形なんです。
だって
微速度カメラじゃあるまいし
桜の花びらがまさに開いている瞬間に
こんなセリフを言うわけが無いからです。
おそらく
桜のつぼみを見ているか
桜が「咲きそうな気温」で
これを使います。
まだ花は咲いてないわけで
時間軸は未来を指しています。
では
「桜が咲いた」
これはどうでしょう?
「た」は
文法の本には助動詞として載っていて
① 過去 … すでに過ぎ去ったこと。
② 完了 … 動作が終わること。
③ 存続 … 状態が続いている(~ている・てある)。
という3つの意味があります。
だから
目の前にある桜が咲いている状態で
この言葉を使います。
桜は今「咲いている」の状態なんです。
(存続、ですね)
テレビで「本日桜が咲きました」と
アナウンサーが言っても
文法的には誤りと言えません
でも
実際に花が咲いたのは過去です。
今見ている花は、実際には
昨日だが、朝だかに「咲く」という
状態に移行していたのです。
したがって、これは過去形でもあります。
同時に、花が咲く状態は
既に終了しているので
「完了形」でもあるわけです。
ちょっとゴチャゴチャしましたけど
「た」には3つの意味がある
と振り返っていただければありがたいです。
いやぁ
日本語って難しいですね。