桂木直

　沢山のものを失った男に、たったひとつだけ残ったものは、ささやかだけれど大きな願い。 　それを叶えるために海を越えた男は、目覚めと共に、夜の海の色をした髪を持つ少女と出会う――

あまりに綺麗で速い走り。美春はひと目見た時から、気になって目が離せなくなった。 けれど彼が抱える複雑な事情が、彼から走る事を奪ったのだと知った美春は、ある日決意する――

抗う事すら許されぬ存在に婚約者を奪われた少年エアは、憎むべき相手を唯一の希望とし、進む事を決める。それが、大いなる運命のはじまりとも知らずに―― 天上の神と地上の女神に守られし…

　幼いメアリは夢の中、路上で暮らす兄妹に出会った。自分とは環境も何もかも違う彼らとふれあう事で大切な何かを知っていく―― 　近代風のファンタジーっぽいお話です。

恋とはひとをおろかにするのかもしれません。 刻子は語る。かつての、はじめての恋の思い出を。 武芸に興じていた少女の心を動かした、うつくしい男へ抱いた想い。彼の過去と真実、そうし…

占い師の予言を信じ、皇帝の命令の元に。騎士は皇女と共に、神の台座へと進む。古代の神に供物を捧げるために。