南雲の告白に対して、彼の悲恋ではなく自分を憐れんで泣く刻子の心理のリアリティが壮絶で、ぞっとしました。この決定的なすれ違いを、よくこの短文で表現できるなあと感心しました。このショートショートは、もっと評価されるべきだ!!
二重に切ない、やるせない恋の物語が重ねられていて、重層的に楽しみことができました。しんみりした気分になって、少しあたたかくなって読み終えました。