こんばんは。
桃樹(ももき)といいます。
ツイッターにて作品を募集し、お作を読んで「良かった点」「気になった点」をカクヨムで投稿します、という感想文企画をおこなっています。
現在読書中の作品は、 アンデッド @undead 様作、
『木徳直人はミズチを殺す』
URL:
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889548235です。
物語を読了しました。
この複雑な物語をものしたことを、まずは最大限の賛辞を持ってたたえたいと思います。
惜しいところはありつつも、最終選考に残るだけの構成と練られたアイデアがすごいと思います。長編はここまで書かないとダメなんですね。私には到底無理だ…とがっくりもしました(笑)
キャラの印象が若干弱かったのと、ビジュアル的には高校生の異能バトルを呈しながらも、対象年齢がかなり高い層になっているような感じがしましたので、ここが選考の差になっているのかな…? とちょっと思いました。
現在のスニーカー文庫の対象年齢がどうなのかは解らないので、もしかしたら合致しているのでしょうか?
ここからネタバレありです。
五行相生が最初関係しているのかと思いましたが、バトルになって弓だの剣だの…ちょっと違うなあ、と思っていましたら、後半の方、数字でやっと気がつきました。ヨハネの黙示録か、と。
和輝君の時にこの事件を誘導している人間には気づきましたが、黙示録に繋がるとはよもや思ってもみませんでした。幕間掌編も全く関連が解らずじまい。四騎士、なるほど。勉強不足だなぁと痛感しました。マタイによる福音書は読んでいて面白かったのですが、他はさっぱりでしたから、ちゃんと食わず嫌いは克服しなくては…むぅ。
それにしても。よくここまであれを分解して配置したものだ、と感心しました。すごいです。
ただしちょっと読んでいて理解できない、情報が繋がらない、何回も読まないと繋がってこない、という部分が種明かしに入る第七章あたりは多かったですね。
それはなぜなのか…後で考えてみます。
私はこれ、縦書きだったらもっとすっと入るんじゃないか…と思っています。
そこは仕方ないにしても、ミズチちゃんと木徳くんの二人きりになってからのラストに向かうシーン。ここは素晴らしいですね。
ミズチをどうやって殺したのかまだ良く理解していませんが、ともかく絵的にすごくわかりやすく、別れの予感もすごく湧いてきて、ラストの読後感はとても深い余韻をのこしていますよね。
自分を殺して女性を救うというと『エクソシスト』のカラス神父がすぐ思い浮かびますが、こういうのはそれまでの流れがあってこそなので、そこに至るエピソードがキモですよね。
「怒りの日」以降急に木徳君が人が変わったようになってしまったので、感情移入する登場人物ではなくなってしまい、ここがなんとなく気になるなぁ…と思いました。ここは改めて考えてみるつもりです。
ともかく、『ドラえもんのび太と鉄人兵団』で、リルルがふっとのび太の前に現れて消えていったあんな温かな余韻があって、読後感がすごく良かったです。
きっちり感想を書こうとは思いますが、とりあえず読んだ直後の思いとしてはこんな感じです。
ありがとうございます。
◆感想公開中の作品
月城 友麻 (deep child)様作、
『猫とドラゴンを連れ、少年は宇宙へ ~神様はメタバースの向こうに~ 最終版』
URL:
https://kakuyomu.jp/works/16817139555888188533です。