『特級探索者、配信者となる』の書影が公開されました!
煉と氷華をカッコよく描いてくださっております。
各種販売サイトでも確認できますので何卒よろしくお願いいたします。
https://www.kadokawa.co.jp/product/322508000126/
おまけ
優弥が端末をいじっていると、煉が近づいてくる。
新しい動画を撮影してきたようだ。
「撮影してきた」
「ありがとう。えーと、前に撮った『魔力感知』の応用の『魔力干渉』の動画だっけ?」
「そういう解釈で概ね正しい。別のスキルだが『魔力干渉』の習得に『魔力感知』はほぼ必須だからな」
『魔力干渉』は周囲にある外部魔力を扱うスキルである。そしてその外部魔力を感じ取るためには『魔力感知』は必須となるため、優弥の解釈で間違ってはいない。
アトラなどで水中移動をしている動画の反響が大きく、『魔力干渉』について教えて欲しいという意見が多かったので、前に『魔力感知』をおすすめしたようなテイストで煉は動画を撮影してきた。
ただ『魔力干渉』は『魔力感知』を使えることが前提のスキルであるため、この動画だけを見ることが無いよう工夫が必要である。
「なるほどね。そうなると先に『魔力感知』の動画を見て欲しいよね。『魔力感知』の動画を見るように誘導する感じに編集する?」
「それなんだが、最近他の人の動画や配信を見てて思い付いた事があってな」
「思い付いたこと?」
その工夫に関しては、煉に案があった。
「特にダンジョン配信とかに多いんだが、タイトル? とかに【初見さん歓迎】って書かれてたりするんだよ」
「ああ。あるね…うわ、嫌な予感する」
「あれは初めて見る人も見てくれって事だろ。なら【一見さんお断り】って書けば」
「却下! どこぞのこだわりが強い飲食店みたいな謳い文句じゃん!」
「いや、これならこれだけ見る人はいないだろ?」
「これだと誰も…いや逆に見るのか? 分かんない!」
その案は優弥を混乱させ、見事採用されることとなった。
ただ意味の分からない隅付き括弧が話題となり、逆に初見さんが大量に来る結果となり、この案の目的としては大失敗に終わるのであった。