コロナ解決のため、オタクの人たちが
バブルへ行くタイムトラベルものです。
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「沖縄には仕事で?」
話の水を向ける。
男はポロシャツ、チノパンというラフな格好だが、観光客の身なりには感じられなかった。
行動もひとりのようだが、沖縄なまりは皆無。いや、むしろ――
案の定、彼は、ええまあ、とあいまいに答えた。
「東京からですよね?」
ですか、ではなく断定の口調に、男がやっと感情らしきものをのぞかせた。「はい」
その色をよりはっきりと引き出しにかかる。「ご出身は北海道?」
「ええ、そうです。そちらも道内から?」
いいえ、私は館山です、と笑い流した。
本人も気がついていないようなわずかなイントネーションからつけたアタリは正解《あたり》。
だが、言葉づかいで見抜いたことも相手に見抜かれたようだ。
仕事《しょうばい》のように占い仕立てで本性に迫っても通用しないタイプとみえる。
予想どおり、いや、想像以上に手ごわいか。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054896495855/episodes/16816927860166067895――――
オタク時間旅行inバブルの決定版『iqqo ⇆ zozo(イッコ・ソソ)』の物語はそろそろ本格始動。
伏線はりまくり、難易度SSSSSの激ムズ暗号をはじめ、謎解き要素が盛りだくさん。
乗るしかない、このビッグウエーブに……!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054896495855