第232話:【忍城・2】整理整頓は大事……
2015年10月24日:冬木化学研究所デジタルアーカイブ
「大胡戦争末期。未だ判明されていない化学的な発明がある。それはいかにして硝酸の合成し雷管と無煙火薬を作ったのか。これが未だに謎である。たった一つ残っている文献では1560年に既に少量ではあるが生産を開始していたという。
その合成に必要な多量のアンモニアをどのように生成していたかは不明のままである。この当時、後に政賢公に驚異の天才と言わしめた平賀源四郎はまだ15歳であり、讃岐の国から大胡へ来てからまだ2年でしかなかった。
その2年の間で何が起きたのまでは想像するしかないのであろう。科学者に取ってもロマンを刺激させる時代であったのは確かである」