執筆進捗状況の報告です
現在進行中の『死んだ日の朝⋯⋯』の続きと、『身代わりの私は⋯⋯』の決まっていて書ける所だけ書いている状況です
特に、身代わりは、続きないんかいって皆様に苛つかせる休載ぶり(身代わりに限らずですが)なので、結末は決まってるし、通過点も決まってるので、繋ぎが上手くいかないだけなんですよ、と言う証拠?に、書きかけ一部を抜粋してちょっとだけチラ見せをば
いや、楽しみにしてんねんからやめてぇなって方は、公開までお待ちください🙏
ちなみに、他の作品も、流れと幾らかのエピソードと結末は決まってるんですよ(¯ー¯٥ก)
上手く書けなかったり、環境からモチベーションが続かなかったり、、、〇rz_
書けるものから書いていきますので、よろしくお願いします🙇
では、以下、書きかけから一部抜粋
(下書きなので、公開時には多少変わってるかも?)
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もう少しで国境⋯⋯ |青の森の《ブラウヴァルト》王国からブランデンブルク=プロイセン王国に入れたのに!!
プロイセンなら、帝都ベルリンを抜けて東プロイセンへの出国も比較的簡単で、そこからバルト三国に行けたはずなのに。
旧騎士団公国のプロイセン王国領に入れば、帝国の、西の辺境伯家と言えども勝手は出来ないだろうから、シュテファン様から逃げられると言うのに⋯⋯!!
私は、今、窮地に立っている。
「おらおらおら、さっさと降りろゃ!! 死にてぇのか? それとも腰が抜けて引きずり出されなきゃダメなのかぁ?」
品のない言葉。およそ湯浴みと言う言葉を知らぬかのような、|埃《ほこり》と土と|垢《あか》にまみれた文字通りの薄汚い男達。
馬具・小盾や武器は手入れが効いているというのに、継ぎ当てもせずに破れたまま重ね着している、洗濯した事もなさそうな不潔のひと言の着衣。
夜盗・野伏りに成り下がった元傭兵部隊の盗賊達。武器の多くは、刃毀れはしていても磨かれた刃渡り50~70㎝の諸刃の直剣が多く、中には|湾刀《サーベル》、槍や猟弓を持っている者もいた。
短剣や小刀を持っているのは取り回しがいいからだろうけど、槍や弓を持っていると言うことは、走って逃げることは敵わないと言うこと。
郵便馬車や遠距離乗り合い馬車、行商人の幌馬車隊などが通る整備された街道ゆえに遮るものがなく、左右の林に飛び込む前に捕まるか弓で射られるだろう。彼らも素人じゃない。むしろ、獲物を追い狩ることと戦闘に関しては|玄人《プロ》だ。
なぜこんな事になっているのか。
私は、どこまでも運が悪いらしい。大切なものは、手に入れても結局は他人に取り上げられたり踏み躙られる運命なの⋯⋯?
ジェイムスさんとマクダレーネさんの協力で、お母さまやお父さま、お兄さまに気づかれずに屋敷を出られたので、王都内で泊まったりせず、その足で帝都兼プロイセン首都のベルリン行きの長距離馬車に乗った。
手荷物は、お嬢さまに連れ出された日と同じ数着の着替えと亡き父の形見の辞書数冊の入った、母の実家の伯爵家の祖父にいただいたボストンバッグ。
但し、中身の着替えは、私の着古したモスリンのワンピースやパン屋で働いていた頃のミモレ丈ドレスではなく、ミレーニアお母さまに買っていただいた日常使いのワンピースとストール、絹の肌着とローヒール。
お茶会に出るために誂えた豪奢で繊細なドレスはこの先着る場面はないだろうから、お嬢さまのクローゼットに置いて来た。
クリスのクライナーエンゲルのドレスも。
ただ、最初に贈られた|私《アンジュ》をイメージしたと言う白緑のクライナーエンゲル婦人用夜会ドレス第一号は、クリスとの想い出と、数ヶ月間身代わりをして拘束された報酬として、持ち出すことを許された中から一着だけ持って来た。
天使の翼の箔押し化粧箱はちょっとだけ目を引き、座席の下に入れていても周りの人の邪魔にならないか心配だったけど。
この後、彼らに見つかって取り上げられてしまうかもしれない。高価なブランドドレスは売る時も、他よりは高額取引されるだろうから。
それでも、本当は、クリスのクライナーエンゲルのドレスは全部持って来たかった。
ジェイムスさんもマクダレーネさんも、エルマさんまで、アンジュリーネお嬢さまは着ないのだから、全部持って行けばいいのにと言ってもらえた。
でも、クライナーエンゲルは高価すぎて、この一着すら持ち出すのに手が震えたというのに。
「では、日を見て伯爵家の方にお届けしておきますね」
なんてにっこりと、ジェイムスさんは乗り合い馬車の手配の片手間にそう決めて、残りのドレスをクローゼットからどこかへ運んでしまった。
来月の帝都での、来年初夏に成婚する事の報告のための皇帝陛下拝謁と、社交シーズン開幕後の評議会新年度会期開始記念舞踏会の為の、クリスと揃えのドレス、仮縫いだけでなく、完成したものに袖を通したかった。
あのドレスを着て、クリスと一曲でいいから、踊りたかった。
叶わない夢だけれど──