『物語』とはいったい何なのだろう。と、よく考えます。読む『物語』と、自分で書く『物語』。同じ『物語』でもそこには天と地ほどの差があるように思えます。
読む方は他人の気持ちや考えをを解ろうとすること。書く方は自分のモヤモヤした気持ちを何とか解ってもらおうとすること。
そこに上手い下手の境界線などありません。まず、最後まで書いてみること、最後まで読みきってみること。
表現だなんだと言ってみたところでつまるところ結局ただそれだけのことなのではないかと私は時々考えてしまいます。こんな朝方など特に(笑)
書く者は俯瞰で登場人物や設定をとらえます。リアルがフェイクを描くのですから当然です。だけどそのフェイクこそが自分自身のリアルであったりもします。
この『NEVER ENDING STORY WRITER』という物語はその『フェイク』である奥田麗美という女の子が主人公です。
けれどフェイクであるが故に迷い、悩み、『リアル』である本体にエールを送ろうとします。そういう意味では彼女は“本当の自分”であり『リアル』なのです。
書く者が自分の書いた物語を俯瞰で見て自分に気付くのと同じく、彼女は仮想現実《ヴァーチャル》を俯瞰で見て『フェイク』であるはずの奥田麗美というアバターによって本当の自分自身に気付きます。
それを手助けしようとするカミジョウという『ストーリー・ライター』は脇役でしかありません。物語でカミジョウは書く方の役割を演じてますが、実は彼こそが読む方であり、読者の役割なのです。
書いている最中にこんなことに気付く私も、現在、この物語の中の登場人物のような気持ちになっています。
そしてそれを読んでくださっている方こそが最重要登場人物であるのは間違いありません。
そんな物語にお付き合い頂ければこれ以上の喜びはありません。
現在、第11話執筆中の朝方、突如そんなことが頭に浮かび、この近況ノートを更新させて頂きました。