はじめに
この記事には「スーサイドストーリー」のネタバレが含まれます。ご注意ください。
今回の作品ですが、だいぶ陰湿に仕上がりましたね。
読後感なんて酷いもんだと思います。
それでも読んでくださったのでしたらこれ以上の喜びはありません。
本当に、本当にありがとうございました。
それでは後語りいきます。
今回の「スーサイドストーリー」ですが、きっかけは映画の「残穢ー住んではいけない部屋ー」です。
その作中で子供がゆらゆら揺れる首吊り幽霊を見てこう言うのです。
「ブランコ!」
なるほど、これ使いたいと思いました。
首吊りの暗示にブランコが使える、と。
で、首吊りと言えば自殺。
自殺は英語で「スーサイド:suicide」
まとめて読めばスーサイドで自殺の意味ですが、suiとcideで分ければ「スイが殺す」と読めるではありませんか!
そしてスーサイドの語感から吾が見た映画の「ウエストサイドストーリー」を連想し、こうしてタイトルは決まりました。
「スーサイドストーリー」、と。
こうして「スイを自殺させ、スイに殺させる」物語の作成が決まったのです。
ちなみに後半のインパクトでわかると思いますが「スイ側(Sui side)の話」としてもかかっています。
では次に他人を殺し、自分を殺すに足る理由づけをするのですが、それでできたのが「誰かの為に復讐して、その誰かに裏切られる」というもの。
その誰かが大切であればあるほど(その人を失った際に)自殺するに足る強烈な動機づけになるだろうと考えました。
で、その誰かが復讐したくなるように3人目のキャラクターを作って、その3人目にスイを関われせてやれば……といった感じでできあがったのがコレです。
作品のテーマ、というより目的としては「スイに自殺させる」こと。
吾が今作を書く時に意識したのは「わざとらしいくらいに意図的」であること。
ゴールを決めてただひたすらにその為だけに突っ走ることを意識していました。
結果、出来上がった物は(そもそもゴールが自殺であったこともあり)大変陰鬱としたものになってしまいました。
(流石に重すぎるかなと思ってラーメンぶち込みましたが……まあ蛇足ですね)
中途の展開ももう少し上手くできたんじゃないかな、などと思いつつもテーマ通りにできたのでそこは良かったですね。
さて、最後になりますが、吾はこの作品を「まあ嫌いじゃない」くらいに思っています。
「一生のうちにこんな作品が一個くらいあってもいいよね」と。
だからといって、読者の方も許容して?なんて気持ちはこれっぽっちもありません。
むしろ「胸糞悪い!大っ嫌い!」と思うのが普通だと思います。
そういう気持ちは溜め込まずに解消してあげてください。
好きなことをして、好きなものを見て気分転換してください。
そうして気分がスッキリしたら、いつも通りの日常を過ごしてください。
それだけが今作を読んだ貴方に対し、吾ができる唯一の祈りです。
追記:あとこれだけは言っておきたかったのですが、剛パートはおじさんの解像度で地の文を書いています。それだけです。