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Fの救世主 後語り

Fの救世主が完結しました。
一年弱の長期間の連載を無事に終えられて、ほっとしています。
お付き合いしてくださった読者の皆様に、あらためて感謝を申し上げます。
これ以上の長いお話を書くことは、もう無いんじゃないかなと思います。
感想、質問、意見などあれば、遠慮なくお書きください。




以下は恒例の後語りです。
読む価値があるかないかで言えば、そんなにないかも知れません。




まず、この作品を書こうと思ったきっかけは、はっきり言えば禁書です。
オマージュやパロディとはちょっと違いますが、「無効化」という能力を題材に、自分なりに一つ書いてみようという思いがありました。
精神が能力に表れるという点では、ジョジョの影響もあると思います。

思いもつかない能力や、予想しなかった才能が開花するという話もおもしろいですが、やはり目覚めるからにはそれなりの根拠が欲しいというわけで、トラウマが元になった能力という形にしました。
そのあたりは実は禁書とは無関係で、高校生ぐらいの時に考えていた話が根底にあります。
内容は飛行機事故で生き残った「相田遼一」という少年が、低い確率を呼び寄せる超能力に目覚めて、それに振り回されながら、奇妙な体験や出会いをするというものです。
その「相田遼一」のガールフレンドが「富士豊花」で、同級生に長命の一族「戦千十両(本編では幾草千十兩)」、飛翔能力を持つ「明日飛雄」と、表に出ない部分で世界がつながっています。
不死同盟もそこからのつながりです。
これに関連して、怪奇事件を扱う公安の主人公が「刑部ケイジ(本編では一条府道、近重慶司)」で、「上澤珠樹」と「吉谷アンナ」はその登場人物です。
相田遼一の話は少し書いていたんですが、刑部ケイジの話はほとんど設定だけでした。
それらをリサイクルして組み入れながら、今まで大筋だけは考えていたFの救世主というお話を書きました。
そういうわけで、没になった設定が大量にあります。
加えて、あくまで一人称視点の物語なので、表に出ていない情報も大量にあります。
大筋は決まっていたとは言え、細部を詰めていなかった上に、最後まで書き上げる前に連載したので、ライブ感で突っ走った部分が多くあり、活かしきれなかった設定もあります。
あまり重要じゃない登場人物が多いとか、話の展開のしかたとか、反省点は山ほどあります。
それでも、どうにかこうにか完結まで持っていけました。
振り返ってみれば、割と楽しく書いていたんじゃないかと思います。

完結した後で今更かもしれませんが、お話を読む時の注意点をいくつか挙げます。
Fの救世主の主人公はトラウマを持った未熟な少年です。
彼が感じたこと、思ったことが全て正しいわけではありませんし、若さ故の暴走もします。
他者の救済に自分の存在価値を見出す、メサイアコンプレックスの傾向もあります。
また他人を「彼」とか「彼女」と言うことがあまりありません。
相手が身近な人であればあるほど、その傾向が強くなります。
彼は全知でも万能でもないので、彼の視点でわからないことは、読者にもわかりません。
わからないことを胸の内に納めて、あるいは忘れ去って、生きていくしかないのです。

それと、これはいつものことですが、私は物語を書く時に、いちいち章立てや分類をしません。
大見出しや小見出しは基本的に後付けです
プロットは基本的に頭の中だけにあるもので、実際に書きながらゴールに向けて軌道修正していきます。
今回は特に長い話だったので、章の分け方がよくなかったかもしれません。
しかし、他にどう分ければよかったかもわからないので、ノットグッドではあってもワーストではないと思っています。

本編の舞台はS県H市が主ですが、どこをモデルにしているか、わかる人にはわかると思います。
市内の様子は一応は地図を参考にしていますが、実際には存在しない土地や施設もあります。
そのあたりは架空の物語ということでご容赦ください。

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