• 歴史・時代・伝奇
  • 恋愛

中国の神話&青春怪異譚の更新は明日

 エピローグは消化試合と同じなのに!今日は更新無理でした。

 貝塚茂樹著『中国の神話 神々の誕生』を買ってしまったがために……テヘペロ

 中国研究の泰斗、貝塚教授の中国古代資料を元にした神話研究本です。以下語る。

 これね。タイトルがね。一部の人にとって詐欺です。
 一部というのは『中国の神話って知りたいな〜!女媧と伏義が創世するんだっけ?』という初心者の人はたぶん、求めている情報ではない。

 いや、面白いんです。とても興味深く面白いんです。

 しかし、風姓兄妹で藤崎竜先生の封神演義でも有名な彼らではなく、殷(商)の祭祀情景から読み取り、山海経を読み取り、黄帝逸話とメソポタミア神話のマルドゥク逸話を並行検討したりして、従来の歴史とされているものを神話としてアプローチしている本です。

 生々しい古代の祭祀を再現してますが、こんな神々がいるよ! こんな神話があるよ! という紹介本ではない。この本をタイトル買いして崩れ落ちる人がいないことを祈るばかり(窪教授の道教の神々も似た感じですがまだ神様をちょっと紹介してるだけマシ)

 個人的には、こーゆーまとめた情報や推論待ってました! なのでありがたい限り。一部、著作集に収められてますが、全文は確かなかったはずなので、拝みながら読んでます。

 ところで、よく知られてる伏義と女媧の創世神話は、南方の民間信仰逸話だそうです。私も地方神話だと思う。

 中国古代の概念が『混沌(一)がわかれ天地(二)となり人(三)ができた』の方が近く、三=多数の意味が伺えます。ここに洪水神話が入り込む余地はなく、統一神話ではなく民間もしくは巷間の神話が後に融合されたのかな? と思ったり。

 中国古代は河と山の神が重要視されてますが、河が黄河のみのせいか、支流を祀ることあるとはいえ、圧倒的に山岳信仰が多く思えます。また、甲骨文、金文のほうでは太陽信仰から作られた文字が格が高いとされている。他、農耕民族としては雨、生物としても青銅器時代としても風を祀っていたらしいです。元々、風は鳳から派生し、鳳は太陽から派生した文字なので、風と天と太陽の信仰は同根なのかもしれません。

 ただ、伏義と女媧の逸話は黄河への信仰が感じられるし、また、女媧信仰は先史時代に遡るので、きちんと祀られていたはずです。ただ、洪水から創世という神話は中原より南方の地方信仰のようで、それが秦漢時代くらいに吸収か統一神話に組み込まれたかの、比較的新しいものかなあ、と思ってます。二度目。

 道教は歴史記録、地方神話、民間伝承、他宗教、その他諸々を常に都合よく吸収し続けたアメーバみたいな民俗宗教なので、参考にならない……

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する