皆さん、KAC2023を楽しんでいますか? 今回のKACは今までと少し仕様が違いますよね。まず、新しい賞が追加された事。それと、文字数の上限が撤廃された事、一話完結でなくても構わなくなった事です。
この中で文字数の上限と一話完結でなくても良くなった事は、個人的にはあまり影響ありません。何故なら、私は今回も一話完結4000文字以内で書いているから。もう癖になっていますのでね。4000文字以内の一話完結作品ってスタイルが。
なので、注目すべきは777文字作品なんですよ。単に最低文字数が777文字と言うだけならスルーしていたと思います。1000文字以下の短編は得意分野ではありませんでしたから。
ですが、777文字で書くとご褒美をもらえるとなったら話は別です。目の前に人参をぶら下げられたら走ってしまうのが馬の性なのです。ヒヒーン!
と言う訳で、KAC20231の時に試しに777文字作品に挑戦してみたんですけど、いやこれ面白いですね。意外とこれだけの文字数があれば結構な世界観を表現出来ます。こんな世界があったのかと目から鱗が落ちまくりました。やっぱり何事も試してみないと分からないものですねえ。
思えば、昔から日本人は情報を圧縮するのが好きな民族でした。その最たるものが俳句ですよね。たったの17文字、しかも季節縛りまであるのです。それなのに表現されるテーマは無限大。どんな想いも17文字で、しかも季節に絡めて表現出来てしまいます。
これはもはや言葉の魔法と言ってもいいでしょう。日本人はみんな魔法使いやったんや。
そんな文章圧縮能力に長けた日本人は、わずか50文字でも物語を表現出来てしまいます。ツイッターなどでも140文字以内で物語を発表する人が少なくないですよね。すごいです。
で、777文字。50文字で物語を書ける人なら、777文字もあれば表現し放題と言ってもいいでしょう。私も驚きましたもん。意外と書けるって事に。
KAC230232の777文字作品を書いている時、序盤で一気に300文字を超えちゃって、どう考えても文字数オーバーになりそうになったんです。そこで無駄を省いて表現を厳選したら、100文字程度に圧縮出来たんですよ。文章圧縮に進化し続けた日本語の凄さですよね。
こう言う経験が出来たのも、運営が777文字の作品にご褒美を用意してくれたおかげです。本当に有難うございます。
KAC2023は、だから777文字の作品が結構投稿されています。文字数が少ないので気楽に読めるのもいいですし、文字数が少ない分、書き手の技量も如実に現れてくるのがいいですよね。
中には、これ本当に777文字? ってくらい内容の濃いものも少なくありません。読むだけで色々と勉強になります。
KACが始まった時に最初に驚いたのが4000文字の可能性でした。4000文字もあれば、結構豊かな物語を描写出来ます。それは私にとっての大きな気付きとなりました。
そして今回は777文字の世界に開眼。KACはいつだって私に新しい扉を開けさせてくれます。今回の気付きも大きい物になりました。運営さん、新しい挑戦の機会を作ってくださり本当に有難うございます。