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白い風に遊ばれて

 言葉の風が僕を通り過ぎてく
 お腹をすかした猫がトボトボと歩いていく
 頭の中で閃いた光はその場で蒸発
 何て事のない日常は記憶を曖昧にする

 今はもう空も渋滞で
 見えない暗号にかき乱される日々
 みんな目の前をちゃんと見てよ
 甘い甘い嘘ばかり食べないでよ

 どこかで猫の声が聞こえる
 その声を見つけられないでいる
 近付くと音もなく逃げられる
 その声の主の正体をまだ知らない

 見られている
 カラスに見られている
 僕は見つめる
 その気持ちは分からないけど

 いつもと同じ繰り返し
 また時間が加速する
 動かない山たち
 空を覆う雲たち

 窓を締め切った冬
 たまに風がうたっているよ
 いつも文字ばかり読んでいるよ
 同じ動画ばかり見ているよ

 ぼうっと生きているからね
 言葉も生きているからね
 空に見えた白い十字架
 新しい嘘でまた遊ぶよ

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