ゆっくりと漂って
気配の中に溶け込んで
まどろみの中でまばたきする
いくつもの光が乱反射する
静かな山々は寝息を立てて
お月様がじいっと眺めている
夜の生き物たちは息を潜めて
動き出すタイミングを見極めている
心の振動が安定するから
こんな静かな夜は好き
キラキラと言葉が降りてくるから
僕はやさしく抱きしめるんだ
電信柱の街灯
風のない闇
スポットライトで踊る見えない人
無数の宝石が夜空を飾る
夜行性の目が気配を消して
僕は見つけられないでいるよ
こんなに寒いのにどこかにいるね
僕は見つけられずにいるよ
星間通信のアンテナの調子が悪くて
僕はチャンネルを合わせられずにいる
どうしたら未来の景色が見られるんだろう
見上げても流れ星さえ分からないまま
ふんわりとしたやさしさが
知らない間に心の中を支配する
時間の小舟はもうとっくに流れていった
ああもう何もかもどうでもいいんだ