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笑っていられる

 ありたきりな朝
 誰も物語なんて期待していない
 悪い事が起こらなければいそれでいい
 そう 僕だって

 変わらない日々だから変わる景色に目を奪われる
 日々変化する気温に気持ちも左右される
 ああなんて何もなく過ぎていくのだろう
 ああどうして時間はあっと言う間に過ぎてしまうんだろう

 自分の持っている力ではただ流れに乗るので精一杯で
 周りを見ればみんな自分の役割だけで精一杯で
 今日も朝から出荷されていく
 誰もが同じだと安心していられる

 多くの人の流れの中で気配を消して
 いつの間にか何かをやらかしているんだ
 頭のいい人が何かを叫んでいる
 右から左へと言葉が素通りしていく

 言われた事をしているからちゃんとしているんだ
 それが必要最低限でそれ以上は何もしたくない
 空を泳ぐ雲に憧れている
 だけど翼がない事はとっくに知っている

 目の前に転がってきたボールを蹴り返せない
 いきなり背中を蹴られても苦笑い
 沢山の花の中に紛れて風に揺れている
 その中に仲間なんていやしないのに

 たくさんの当たり前の中にいて
 きっと誰も気にも止められやしない
 だから笑っていられるんだ 
 何も気にせずに笑っていられるんだ

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