「ふあぁ~あ」
「よお、起きたか」
「どうだい、世界の最後の夜は」
「ああ、相変わらず空の宝石箱だよ」


「な~んも起こらねぇな」
「意外とそんなもんだろうよ」
「色々思い出すか?」
「まぁなぁ……」


「みんなどうしたんだろうな」
「みんなくたばっちまったじゃねぇか」
「まぁそうだけど」
「そりゃどっかで俺らみたいになったやつもいるかもだけど」
「だといい……よくないか」
「俺はお前がいて良かったよ」
「話し相手って大事だよな」
「気が合う話し相手、な」


「静かだなぁ」
「生き物いないもんな」
「賑やかな夜が懐かしいか?」
「いや、碌な思い出がねぇ」
「俺もだ」


「こう言う運命を辿る惑星も宇宙じゃ多いのかなぁ」
「宇宙は広いからなぁ」
「罪深い星ばっかだったりしてな」
「違えねぇ」


「なぁ……、星座ってこう言う時に生まれたのかな」
「最初は大昔の暇潰しとかだったんじゃねぇの?」
「例えばさ、あの星とあの星を繋げて……」
「どの星とどの星だよ、分かんねぇよ」
「俺説明下手なんだよ」
「知ってる」


「昔はさ」
「どのくらい昔の話だ? まだ俺達がまともだった頃か?」
「あの頃、夜ってのは酒を飲んで寝るだけだったよ」
「あの頃の大人はみんなそうだろ」
「星空なんか見る事もなくて……」
「星自体よく見えなかったからな」
「お、流れ星」


「何か願ったか?」
「今更何も望まねーよ。隣にお前がいれば十分」
「そいつはどうも」
「この星空を見ているとさ、永遠に続きそうな気がするよな」
「宇宙全体で言えば明日も明後日も続いていくんだよ」
「逆に言えば、毎日どこかで星が終わっているのかもな」
「破壊と創造かぁ……神の声でも聞こえねぇかなぁ」
「聞こえてたらここにはいねぇさ」


「もうカウントダウンは始まってんのかな」
「知りたいのか? 俺はやだね」
「俺だってそうだよ。けど……」
「まぁその気持ちも分かる。だから見上げてんだろ?」
「今日世界が終わっても、世界は有り続けるんだ。不思議だなぁ」
「不思議でも何でもないけどな」


「眠れたらさ、知らない内に終わってたのかな」
「いや俺ら眠れないだろ」
「だからだよ」
「きっと罰なんだろうな」
「生きている罰か? それは捉え方次第じゃないか?」
「そうか?」
「ああ、少なくとも俺は不幸を感じちゃいない。これは奇跡なんじゃないかとすら思う」
「確かに、ある意味奇跡だよな」


「うわああああっ!」
「始まっちまったか! どうする? 逃げるか?」
「もう地上に安全な場所なんてねぇよ! いい、ここでいい!」
「分かっちゃいたけど……分かっていてもこれは……」
「これでいいんだよ。何もかもなくなるんだよ。俺達もこれで……」


「うおっ、まぶしっ!」
「な、なんだ……っ?」
「まだ生き物がいたのか、君達、話は通じる?」
「「う、宇宙人だーっ!」」
「良かった、通じるね。早く来て、今なら助かる」
「いや、いい。俺達は星と運命を共にする」
「そうだよ、俺達だけ逃げるだなんて……」


「うん、君達の意志は分かった」
「じゃあとっとと帰ってくれ。俺達はここで終わるんだ!」
「そうだ! これはきっと初めから決まっていたんだ!」
「なら……強引に連れ去る!」
「うわあああ!」
「何をする、止めろぉ!」


「ああ……」
「間一髪だったね」
「俺達をどうする気だ」
「それは僕が決める事じゃないよ」
「自分の生き方は自分で決めろ……か」


「な、何急にじいっと見つめるんですか」
「お前が悪いんだからな」
「えっ?」
「お前が、俺達を助けたりなんかするから……」
「えええっ!」