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説明台詞なしSSサンプル その3

「ったく、参ったなぁ……」
「姫はいた?」
「いや……」
「早く見つけないとヤバイよ」
「だなぁ」
「あいつの事だし大丈夫だとは思うけどな」
「とにかく、ジュンヤは聞き込みを続けて。私は警備兵と連携して情報を集める」
「もう町にはいないんじゃないのか?」
「門番からそれらしき情報は届いてないから大丈夫なはず」
「りょーかい」


「ふぁぁ~あ。本当なら今頃昼寝の時間だよ。まぶたが重い……」
「あ、ジュンヤさんちぃ~っす」
「おお、ポンク、元気に更生してるかぁ~」
「バリバリ元気っす。ここで会うなんて珍しいっすね」
「ちょっとな」
「また姫っすか?」
「お前、勘がいいな? まさか……」
「疑わないでくださいよ! もうしっかり足は洗ったっす!」
「その言葉が偽りならお前の命はない……」
「止めてくださいっすよ! 探しますよ、俺も」
「今は何も知らないんだろ? じゃあ自分の仕事を優先しろ。これは俺の仕事だ」
「分かったっす。失礼しまーっす」
「おい」
「姫の事っすよね。大丈夫、誰にも喋りませんから」


「あいつに頼ってみっか……」
「あら、久しぶりじゃない、どうしたの?」
「それも分からないようじゃ、他を当たる」
「ちょっと待って、分かった! 人探しでしょ。しかも切羽詰まってる……姫ね?」
「……そう言う事だ。ちょっと視てくれないか?」
「お安い御用よ」
「どうだ?」
「大変、視えない」
「まさか……」
「大丈夫、死んじゃいない。ただ、具体的な位置が読めないのよ」
「もう街を出てたのかよ!」


「うう、今頃みんな大騒ぎよね」
「ああ、本当ならこっそり帰れているはずだったのに……」
「こんな事なら壁抜け以外の魔法も覚えとくんだった。私、このまま死んじゃうのかな……」


「ねぇ、ジュンヤ見なかった?」
「さっき会ったっすけど……」
「いつ?」
「えーと、3時間くらい前……かな? 何かあったんすか?」
「あいつ、定時連絡の時に姿を見せなかったのよ」
「あー、じゃあいつものアレっすね、単独行動。あの人よくやるじゃないすか」
「何でいつもあいつは勝手に動くのよーっ!」
「はは、ジュンヤさんらしいや」


「はぁ……はぁ」
「この森じゃないのか?」
「おーい!」
「どうしたのー?」
「このくらいの女の子を探しているんだけど見なかったか?」
「うーん……知らないね」
「知らないね」
「分かった。ありがとな」
「後は岩山ルートか……ヤバいな……」


「ひゃあ!」
「うわわわーっ!」
「嘘でしょ、魔物避けの効果が切れてる……。だ、誰か助けてーっ!」


「む! 嫌な予感がする……」
「ここでもないのか?」
「流石に道を外れてたら探しようが……ん?」


「きゃー! 来ないでー!」
「うまそうな匂いがしてくると思ったら、お前、王族かぁ……」
「わ、私を食べたら私死ぬわよ!」
「あっはっはっは! そうだなぁその通りだ」
「わ、笑い話じゃないわよっ!」


「おい、そこに何があるんだ?」
「なんにもねぇーよ。ちょっと珍しい石を見つけてな」
「あなた、どう言う……」
「俺はうまいものは誰にもやらないんだよ」
「ひいいっ!」
「抵抗しないのか? ちょっとは泣き叫んでくれないとつまらんぞ?」
「キャ、キャアアアー!」
「そうそう、それだああーっ!」


「スパイラルクラーッシュ!」
「ギャアアーッ!」
「ジュンヤ……どうして?」
「上から見たら魔物が騒いでたんすよ。ったく、冒険もほどほどにしてください」
「でもこれじゃああなたも遭難……」
「ほら」
「え?」
「背中におぶさって。飛びますよ」
「う、うん……」


「おお、出迎えごくろーさん」
「あ、ジュンヤ……なんであなたは……姫?」
「レイカー! ごめんなさい!」
「じゃあ後は任せたぜ……親衛隊隊長さん」
「ちょ、話はまだ……」


「どうして姫は町を出たんですか」
「あのね、これ……」
「転移石のかけら? 本物ですか? まさかこれを探しに?」
「私、レイカ達を早く元の世界に返してあげたいの」
「そう言うのは私達がするからいいんですよ。でも有難うございます」


「今夜も月が綺麗だねぇ……ふあぁ~あ。今日は早く寝るか……」

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