アジのフライ

二年目の同期の千野と矢野。 ブラック企業？に勤務する二人は、いまだに定時に退社したことがない。

『――あの。晩ごはん、作りすぎちゃってませんか？』 「…………はい？」 　夜22時。 　普段はほとんど鳴ることのない俺の家のインターホンが音を響かせ、現れたのはそんな馬鹿げたこ…

週に何度か、二人は部室に集まる。 示し合わせたわけでなく。 何をするでもなく。 ただ適当な会話を交わすだけ。 いつの間にかそれは二人だけのルーティンみたいなもので。 「今の時期…

俺の妹は強すぎる。 妹の能力は、兄である俺の秘密を叫ぶこと爆発的な魔力を得るというもの。 妹はついに魔王討伐に向かうと言い出した。俺の名誉のためにも絶対に妹を止めなければならない…

　好きな人がバレた。しかも、隣の部屋に住んでいるらしい後輩の女の子に。 「はあ、仕方ないなあ。意気地なしなせんぱいのために私が今から告白してきましょうか」 　そいつは顔はいいが、…

　学校一の人気を誇る美少女、霧島凛の秘密を知ってしまった影山創。 　彼は自らの体質でもあるとてつもない影の薄さを利用して逃亡を試みるも、なぜか霧島にだけは見つかってしまう。 　 …

「ギンギンマックス先輩のお出ましだ……！」 入学早々、とあるきっかけで勘違いを受けた枯木春馬はとんでもないあだ名をつけられていた。 俺はただ、普通の高校生活を、青春を送りたかっ…

梅雨明け間近の七月上旬。 渦巻丸高校に入学した主人公は、なぜか美少女にストーカーされていた。 隠れ家的な喫茶店にも、高台の公園にも、砂浜のきれいな海にも、寂れた駄菓子屋にも、個…

　後輩の女の子からの告白を断ったら、後輩の身体から電撃が出るようになったらしい。 　何を言ってるのか分からないと思うが、事実だ。 「これじゃあまるで、私ピカチ……」 「やめとこ…

「――漫画やアニメのヒロインみたいだ」 我慢と努力を重ねた私がそう呼ばれているのに気づいたのは、高校一年生の秋だった。 その言葉は私を、気づかないうちに縛り付けていた。 そし…