読書ログ:『パラドクスの教室』富永裕久著

『パラドクスの教室』-日本一わかりやすい図説講義-
    サイエンスライター富永裕久著 PHP研究所版

読書ログ#010(今年10冊目の読了本)

 パラドクスの本をたっぷり読まなければ、突然の天啓があって、読み始めた2冊目。ちなみに1冊目は別冊Newtonの「絵でわかるパラドックス大百科」。偏りない内容で、フラットな場所から有名どころのパラドックスに触れられる良書でした。いや、初心者にはほんとこういう「猿でもわかる」系がアリガタイ。

 それでいうと、こちらの方は、のっけから頭が混乱する。
『鏡のパラドクス』(まず、パラドックスなの、パラドクスなの、いや、ハンケチとハンカチ程度の違いだとは思うけどさ)実はこの本、買ってからここで詰まって数年読まずに積んでおいたんだと読みだして思いだした(いつあった、天啓(笑))。

【鏡は何故左右だけ反転させるのか?】

 最初読んで目が点になったけれど、確かに左右が逆転するのにどうして上下は逆転しないんだろうと考えると、そうだよねという気がしてきて、妙に居心地が悪い。

 『鏡が反転させるのは左右でなく前後』(でも、なんとなくこの章を読んでるだけでゾクッと来るのは、何故)。一度通読してその後何度か流し見して、ようやく、ちょっと面白さが伝わってくる。
 それでも説明しようとすると言葉を繰るのが難しい。

 こんな調子で12章×2~3程度のパラドクス(この本のときはコッチで書くのが正解?)が紹介されていくのだけれど、そも、パラドクスというのは哲学や論理学数学物理学とあらゆるところで生じる綺麗に折りたたまれた学説の折りたためない部分みたいなもんで、それを説明しようと学者先生が出して来る例のシュチエーションがまたあり得なさ過ぎて、そっちに気が行って困るったら(笑)。

 例えば無限のパラドクスについての話は12章中なんと4章を裂かれていて、ほとんど3分の1を占めるんですが(無限って概念がそもなぁ)この中の無限ホテルの話なんか、ほとほと……(笑)いや。正直言っちゃあ怒られるかもしれないが敢えて言おう。こんな事を真面目に考えてしまう学者先生は頭が良すぎて一周廻ってきっとかえって生きづらいに違いない(笑)。

絶対、脳みそ痒いはず(笑)

 地球が丸い事を信じない人たちと私にあまり相違がない事も、改めて発見。もう難しい事は考えられる人に任せて、腕立て伏せでもしよう……(「しぜんすうたいじっすう」とか何度読んでもまだわからん。え?1足したんだから変わるの当たり前くない?←アホ)。

 面白いなぁと思うのは、どんな学問も、結局人間は全ての事を自分たちの生存活動で理解出来る形に「翻訳」してるんじゃないのかなと。
 でも、それはあるもの、そのものではないので……
英語で「バナナ」が日本語で「バナナ」であるみたいな事ばかりにはならない。
 日本語の「あわれ」が、英語の「Pathetic」ではとりこぼす、みたいな事が普通にあって(あ、今、翻訳ソフトのお世話になりました(笑))。

 パラドクスの中には、もしかしたらそういう私と世界の違いを見えるものにしてくれるのかしらん、なんて思うと、ちょいとまた、わくわくもいたしますのであります。
 

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