誰が殺した それは「私だ」 若者が懺悔室で告白する 其処は中世辺りの欧州の教会
「愛らしい小鳥のようなメイド 秘密の恋 私の子供を宿してしまって
廻りから責め立てられて あの子は大きな川に飛び込んで‥いえ、その‥」
教会の中にある小さな小部屋 小窓のある壁板に二つに分けられて
神父と懺悔をする者が小さな窓越しに話すのだった
「私が殺した 殺したようなものです ですから どうか あの子の為にどうかミサを
自殺は罪 死体はうち捨てられる このままではあの子は天国へ行けません」
「‥‥」「神父様」
「あのメイドの少女は足を滑らせたのですな わかりました」「神父さま 有難うございます」
若者は幾度も礼を言って立ち去る
が・・にやりと若者は不気味な笑みを浮かべる
「二か月後には隣の国に待っている金持ちの娘、婚約者との結婚式だ 邪魔なメイドの少女はいない」
声を押し殺して男は笑う