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病院騎士団より カルタゴの遺跡・・

https://kakuyomu.jp/works/1177354055476832528/episodes/16817330660249887388

「約束するわ リヒター修道僧 貴方を救ってあげるから」
それは綺麗な夢 夢の中で 

あの時の海賊達のガレー船を破壊しようとした魔物少女の声と優しい笑顔 少女はリヒター修道僧に微笑みかけるのだった。続く夢の中の情景は‥

荒地、夜の時間 月明りの美しく壮麗なカルタゴの遺跡

もし昼間なら熱い太陽の空、青と白のコントラストがそれは見事な光景


其処 其処にあるのは栄華を極めたはずの
哀れな古代フェニキア人の末裔たちの植民都市 カルタゴ
荒地に広がるヴァル神殿跡をはじめとした遺跡の数々
『ヴァル神に愛されたもの』 その名前の意味するハンニバル・バルカ
アルプスをゾウ達と越えた伝説の名将ハンニバル将軍
彼が愛した故国の残骸。「これは…此処は?」

「多分、貴方が見ている夢ね リヒター修道僧 今 貴方は船に居るから」
「此処は綺麗で切ない場所だわ」そう言いながら魔物の少女はリュートをつま弾く
それはあのガレー船で船を壊しながら謡っていたメロデイ
彼女が歌う中で海賊船の甲板が砕けてゆき、海賊達が次々と獲物になった。
「あの時、私が魔物と分かっていたのに助けようとした貴方
哀れな幼い貧者の為に身代わりとして 自らの身を捧げた優しい貴方への約束」

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