最後までお読みいただき、ありがとうございました。お疲れ様でした。
またしても大長編になってしまいました。ほんと、いつもいつも……
どうやらわたしは“削る”という作業が苦手のようです。申し訳ございません。
その原因はおなじみの『二つの事件絡めまくり』のせいです。
今回その二つはまったく無関係の事件ではなかったものの、どちらも簡単に解決といかなかったせいもあります。おまけに、真ん中に少年二人との『お楽しみ食事会』まで書いちゃいました。これはただただ作者が書いてて楽しかっただけです。
そして極めつけは、主人公二人がそれぞれ、悩んで迷ってのたうち回って、何とか再生の道を歩みだす、その過程をじっくりこってり書いた結果、このボリュームとなってしまいました。
今回は何といっても芹沢ですね。実は彼の過去については第一部から地味に伏線的に散りばめていたのですが、それが今回すべて明らかになりました。それを暴く役割を担ったのは、意外にも一番付き合いの短い二宮。実は当初、この役目を一条さんにやってもらおうと思っていたのですが、そうなると芹沢との関係はどうしても暗い結末しか待っていない。二宮なら、一条さんの代わりに県警の元刑事に接触できて、かつ彼自身も芹沢と同じような経験を持っており、その心境を察することができると考えました(詳細は番外編④『それ、ボクにはもったいないお言葉です』参照)。おまけに、彼には例の『禁じ手』がある。だから制服警官時代の芹沢について調べ上げることができる。そして仕上げは彼の冷静沈着さ。まさにうってつけだったと思います。
結果、芹沢は苦しみ抜いた挙げ句やっと暗い過去に区切りをつけて、何と鍋島よりも先にさっさと結婚しちゃいました。これには鍋島も驚きのあまり大激怒。分かるけど、鍋島は鍋島で優柔不断すぎるから。
めでたく妻帯者となった(&間もなく妻帯者になる)二人が、この先どんな風に変わるのか、あるいはまったく変わらないのか、それは書いてみないと分からない……かな、と思っています。
さて、このあとですが、実は今年はスピンオフの一年にしようかなと考えています。
まずは今回、たった一日で結婚しちゃった芹沢と一条の、そのたった一日の物語を。本編ではそこへ至った過程を極めてシリアスに書きましたが、スピンオフではライトに書いてみようと思います。
それからすでに連載している、番外編⑦『カレシのレシピ』と番外⑧『春夏秋冬 /引越しにまつわるエトセトラ〜FOUR SEASONS/Etosetra related to moving〜』の続きを。
そして今、まだ頭の中で漠然と輪郭を描いているだけではありますが、第一部からずっと登場して名バイプレイヤーぶりを発揮してくれているサブキャラ二名(男女一人ずつ)をそれぞれ主人公にしたラブストーリーを二作、書き上げたいなと思っています。そのサブキャラ……一人は現在ちょっと遠くに、もう一人は主人公二人のごく近くにいます。
……と、欲張っていろいろ考えているものの、どうなるか全くわかりません。
というのも、昨年末から作者の『推し活』が約二年ぶりに復活しまして。わーい。(詳細は番外編⑥『昼下がりの二人』参照)依然としておさまる気配のないコロナの状況によっては先行き不透明ではあるものの、溜まった二年分のエネルギーの放出にもぞもぞと動き出した次第でございます。
そっちの方で少し忙しくなるかも知れません。分からんけど。
では、もう飽きたとおっしゃる方も、そうでない方も、辛抱強くお付き合いいただきありがとうございました。そして、今後ともお付き合いいただければ幸いです。
みはる