今回は敵と味方とヒロインの元ネタの話なんで、
ネタバレが多いです。
敵役に何をするか、今回迷いましたね。
座頭市の殺陣は多人数相手が多いんですよ。
ただ近衛十四郎や三船敏郎とは互角の殺陣を演じたりもしてるんですよね。
相手はやはり強くしたい。
でもどの程度の相手がいいかというのが結構難しくて。
強すぎると座頭市っぽくないんですよ。
でも弱いと話がつまらない。
どの程度が市の相手として手頃なのかってことですよね。
思いついたのは手塚治虫の「バンパイヤ」でした。
手塚治虫作品の中でも最も好きな作品が実はこれなんですよ。
珍しいですよね。普通ブラックジャックか火の鳥、あとはどろろとかでしょうし。
ただあまり知られてないですが、バンパイヤ、面白いですよ。
変身する人たちが差別されたり、獣の欲望を抱えているがゆえの悲しさみたいなのがあって、結構深みのある面白さがありまして。
あと、話自体も彼らをこの枠に当てはめてみたところ、どちらも昭和の作品ということもあってか、自分の中ではあまり違和感なくすんなり入りまして。
これだと思ったんですよね。
そんなわけで、バンパイヤから敵役をひっぱってきました。
女狼のヴァレリアは岩根山ルリ子。
グイードはボスの丸山委員長。
マテオは特にいませんけど、まあなんか出てきそうでしょう(雑
ともかくこのバンパイヤが持つ1960年代的な空気感を取り入れつつ、Web小説らしいスピード感を意識してみました。
物語の中の人狼ってあまり人格がなくてただ怖いだけなんで、こういうキャラクター化ができたのはよかったです。
史実から借りた同時代人としては、ヘルシング、ナイチンゲール、そしてイタリア統一の三傑の一人、ガリバルディとしました。
実際の人物像からはかけ離れている部分も多くなってしまいましたが、これから動いていくイタリアという国を象徴できる活気のある人物を選んでみた感じです。
1885年ごろに60歳だったヘルシング卿はこの時代では若造ですが、やはり出してよかったと思いますね。
私はヘルシングが大好きなんで、そのうち別作品でも出すと思います。
オルガの養父ロレンツォ・ベッティ―リはトスカーナの銃工カッミーロ・ヴィッテーリの子孫であり、この人物は世界初のピストルを作ったという伝説がある。
パイログリセリンとソブレロ博士も、これだけで一本になりそうな面白さがありますよね。
これらの要素ももっと使いたかったんですけど、今回の文脈には合わないのでさらっと出す範囲にとどめました。
最後にヒロインですが、好きなゲーム作品であるEVE the burst errorのヒロイン、御堂真弥子を基にしました。
記憶のない二重人格者は非常に難しく、この作品の最大のチャレンジだったわけですが、知り合いの編集者と話していた時に「このヒロインの設定は残したほうが面白いだろう」と言われて、難しいのを承知で入れてみました。
結果としてはこれでよかったように思います。
まあそんなこんなで、断ち切った設定も山ほどあり、無念の涙を流しましたが、当初の計画に合った『座頭市がピサの斜塔の頂上で人狼を斬る』というラストへ落とし込むことはできました。
今回、少し人が多すぎましたね。
でも楽しかったです。
次はもっと多くして、群像劇にしてみようかなと思っています。
やってみたいチャレンジはつきない。
私は作家ではありませんが、小説みたいなものを書くのはやはり楽しいですね。