九州・筑後地方を舞台にした
小説【いつもの場所で】
完結しました(全72話)
確かこの物語を書き始めたのは
今年の3月くらいからだったと思います。
早5ヵ月ですね。
途中、【潮騒に導かれて】や【祭りのあと】の出版準備で更新が止まってしまったこともありましたが、昨日今日と寝ずに書き込んで完結にいたるほど最後は熱が入っていました。
「まだ読んでないよ」という方のために
簡単におさらいです。
(あらすじ)
これだと思う仕事にありつけず、
30過ぎても転職を繰り返していた
東京・多摩市出身の門田晃は
ある勘違いがきっかけとなり
福岡県久留米市で正社員の道を目指します。
舞台は東京から福岡県へ。
高学歴でエリート街道を歩んできた両親からの圧力と罵倒。初めて親元から離れ、久留米にやって来ると、自分と同じように実家という鎖に苦しんできた生島千織に出会います。
やがて惹かれ合う2人はそれぞれの職場の同僚、友人、親族との交流を通じて、行き詰まっていた人生を切り拓いていきます。
生きづらさを感じている方には
ぜひ読んでいただきたい。
ラストまで読んでいただけたら、
真夏の夕方にレモンサワー飲んだ時くらいの
爽やかさをお約束します。
毒親や毒実家、結局は学歴社会。
市井の人々の心に潜む社会問題というべき題材をラブストーリーと並行して描きました。
恵まれた環境で家族に愛されて育った方には、
もしかしたら理解不能な物語かもしれません。
ですがこんな人々もいるのだなぁと
ちょっとでも知ってもらえたら幸いです。
ヒロインの千織は元ヤングケアラーです。
元と言うよりヤングケアラーのまま大人になった女性です。以前はそんな言葉があることすら、そこまで知られておりませんでした。
あなたの周りにもいませんか?
まだ義務教育を受ける年齢の子供が、親や家族の身の回りの世話を強いられて、ろくに勉強もできず、友人もできず、社会との交流を断たれて、助けを求める術も知らぬまま孤立してしまうケースがあることを。
自らすすんで家のお手伝いをしているのか、そうじゃないのか。という違いもあると思いますが、嫌かどうかも考えられず、拒むこともできないまま家事や介護を日常的に強いられる子供達が少数でも存在します。
単に「偉いね」「親孝行だね」で
済ませていい場合と
そうじゃない場合があると
千織の心を読み解きながら感じました。
これは一概に答えが出せない難しい問題で、
はっきり言って救いようのない終わり方の方がリアルだったと思いますし、昨日までは私もそう考えておりました。
ですがやはりこれは小説という創作なので、最後は少しでも希望が見える爽やかさを残したかった。だから途中、重い場面があったとしても、ぜひ最後までお読みいただきたいと願っております。
追伸:
ヤングケアラーについては現在、自治体や行政などで相談窓口があるそうです。困ったことやモヤモヤしていることで、相談できる人が周囲にいないなら、そういったところに相談してみるのもいいのではないでしょうか。というかいいよ。だって大人になれば、税金死ぬほど払うんだからね。違和感や理不尽を感じるならプロに相談しよう(詐欺には気をつけてくれ)
そして大事なことなのでもう一度、
家の手伝いをしている子供が
全員が全員、ヤングケアラーという
わけではないということ。
親一人子一人とか
やむを得ないケースもあるだろうし、
代々商売している家なんかは
かなり早い段階から子供が店に立つ。
歌舞伎もそうですよね。
その経験が将来、
確実に財産になるならまだいいのだけどね…
だからこそ見極めは素人には難しい。
門田にしろ千織にしろ
親から子への(逆も然り)言葉や態度の暴力は
身近な問題であり、
各家庭の中の話であるから
容易に他人が介入できない。
そこが創作と現実との大きな違いでしょう。
本作はあくまでフィクションです。
実在する自治体、企業、団体、個人とは一切関係ございません。
というわけで私のオリジナル作品の
完結した3作目でした。
いつかこちらも書籍化します。
それまではカクヨムで公開します。
長くなりましたが、
お読みいただき、
いつもおおきに、ありがとう🔥