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ネタ切れにつき想うこと

 さて、4作品が出そろったところでネタ切れとあいなりました。

 実はあまり言いたくはないんだけれどこの4作品は10年位前に書いたものです。
 もちろん所々(あまり当時の熱には触れないように)小さな変更は加えました。でも概ね当時のままの転載です。そう意味でのネタ切れというわけです。

 仕事の関係で10年ほど小説断ちをしていました。書く方も読むほうも。(仕事として書くのは別で)

 ただなんとなく、また書こうかな、最近そんな風に思い始めました。


 ついでなので、僕の小説に対してのスタンスをつらつらと。

 基本的には書くことが苦しいです。ですから書きません。
 小説とは書かないことだとも思っています。ですから僕の小説はピンからキリまで書く必要がないと考えて短いものがほとんどです。これは書き手の皆さんがそうであるように、主人公の生れてから死ぬまでを余すことなく書かないのと同じことです。物語とは前後見えないストーリーの中の美味しいところだけを切り取ったシャトーブリアンだと考えています。豊潤な感性を持つ読み手の皆さんはシャトーブリアンを味わいながら前後のストーリーを感じるものだと思っているからです。華は観者に咲く。そう信じて疑いません。
 そして文字を習ってすぐに物語を書き始めた当時からこうおも願っております。
 僕の物語は風のようなものでありたい。この風を指さし風と呼びながら、この風は昨日の風とは違い、明日を揺らす空気をまた風と呼ぶもの。誰かの心を揺らし、誰の心にも残らないことを願って止みません。
 書くことは辛いです。しかしまたこうしてペンをとります。何か性のようなものかもしれません。
 センテンスは短く、物語に解決は無く、何か物足りなさを感じる人がいるかもしれない。でも僕は基本的に人の脳を信じています。僕の物語る断片が観者の心に花開くのだと信じています。


 さてまた空気を揺らそうと思います。気まぐれな空気です。書かないと言いながら書く風。誰の心にも残らないでと願いながら誰かの心に入ろうとする身勝手な風。辛いと言いながら書いてる側では悦に入る欲深い風。


 詰まる所、文字と云う記号を操る人間としてただ単楽しんでいただけたら、何より単純に嬉しいです。

 くどくど書き連ねましたが、この駄文こそ誰の心にも残らないことを願います。

 新作、気まぐれに更新頑張ります。

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