この小説は二つの物語で構成されています。
美月をめぐる物語と、凛をめぐる物語。
実は十代の終わりに失恋をして、その時に描いたのが美月をめぐる物語です。
当時のタイトルも「六月の雨」
別れ話のさなか、ぼんやりと「六月の雨」というワードが浮かんできたのを覚えています。
今回はそこに凛をめぐる物語を絡ませて、その中間にある主人公の物語を浮かび上がらせようと試みました。
書きながら十代の頃を思い出しました。
そして最後の最後に、十代のあの時、「六月の雨」を書ききらず筆を置いたことを思い出しました。
最後まで書けて良かった。
今の自分にとっても書いている間の一か月は懐かしい感情がいっぱいでした。
根峯しゅうじ