近況ノート今のところ書くこともないので、
千両が舞う に載せたかったあとがきを
※本編、文字数増えちゃうとやばいかなあということで、せっかくなんでここに書く
皆さん、お笑いは好きですか。
TVをつけると、CMやら出演者一人は出てくる芸人さん。人気な芸人、旬な芸人、懐かしの芸人、皆さん芸人と聞いたらこの辺りを思い浮かべるのではないかなと思います。
しかし、この皆様の目に見えるところに出てくる芸人は、たくさんの芸人の本当に上澄みしかいません。
なんならば、芸人一本で飯を食える芸人なんてそこからまた絞られます。
そして、人々前に出続けてる芸人はその上澄みを更に濾した芸人しかいないのです。
では、その沈んでいる芸人はどこにいるのでしょうか?
お笑い劇場に?劇場に出れる芸人は、ちゃんと事務所に所属して、笑いの実力に認められてる芸人しかいないです。
宴会とか、祭りとかの前説や司会をやっている。ある程度腕がある芸人や、知名度がある芸人ではないと難しいところです。
どっかの小さな劇場に?そうですね、小さな劇場に、自分達で金を払い、チケットノルマに苦しめられる芸人たちが犇めき合ってます。
では、犇めき合っている芸人が、どうやって表に出ていくのでしょうか。
それはもう、チャンスを掴むしかないんですよね。
その、チャンスの一つが、世で言う
M-1グランプリというものです。
ちょっと、ここからは少し作者のM-1の思い出とかそういう話をさせていただきますね。
皆さんは、M-1グランプリを見たことありますか?
私は、リアルタイムでは2004からずっと見ており、今も時折見返すほどに大好きな番組の一つです。
何ならば、芸人を色々見始めた原点とも言える番組です。芸人を好きになり約二十年以上、この番組で、好きな芸人沢山出会えました。
そんな原点のM-12004、初めてのM-1ではっきりと覚えてるのは、南海キャンディーズが出てきた衝撃です。
「なんか!凄い人たちがいる!」とまだ十歳前後の私はすごく興奮し、何度も何度も録画を見返しては笑ってました。あと、麒麟の川島さんに胸キュンしたのも覚えてます。(好きな顔の系統に弱々なおんなです)
また、一緒に見ていた父親はアンタッチャブルとタカトシが好きらしく、すごく笑っていたのを覚えてます。
そこから、すごくハマり、2001年からレンタルビデオ店で借りて、時を経て今もなお昔の大会を見返してたりします。(もう見れないスピードワゴンとカナリアは……歌ネタはM-1では禁忌ですね)
そんな毎年お茶の間を笑いと熱い戦いを届けるM-1グランプリは元々は「売れない芸人を辞めさせるための大会」でした。当時の審査員長であり、創設者がそう申していたので、コンビ結成歴十年で売れなかったらもう諦めろという意味で作ったとのことです。
実際にM-1グランプリラストイヤー区切りに解散したコンビも沢山います。私もすきなコンビが解散して、すごくショックだったことを今でも覚えてます。
勿論、優勝できずとも、M-1決勝で爪痕を残し、活躍してる芸人もいますが、絶対数は消えっていったコンビのが多いてわすね。
その後、M-1も十年という区切りで一度幕を閉じながらも、今度は「芸人を続ける理由の一つ」として帰ってきた大会になりました。
錦鯉が優勝したのが、特にこの「芸人を続ける理由」に強く拍車をかけてしまった気もします。まさか、最初の意義とは真逆になるなんて……って気持ちです。
さて、M-1の話はこれくらいにして、私がなんで今回千両が舞うを書いたかと言いますと、とある曲を聞いたからです。
それは、King Gnuの「千両役者」です。
タイトルもここから取ってますし、千両芸人もここから取ってます。
この曲自体の、役者としての業であったり、華やかさの裏にある泥水のような闇が、芸人に通ずるものがありました。
また、一つの舞台に立ったなら、無名も有名も関係ない、お客様を笑わせたら勝ちの世界。
面白い、ただそれだけが評価される世界。
それが、見事にリンクした時に、千両が舞うのプロットが浮かびました。
芸人を夢見た男が、つまらない人生から泥水啜りつつ笑って笑われる世界に身を投じ、そして、自分にはないものを持っている男に出会う話を。
笑いのセンスは微妙だけど、周囲にとにかく可愛がられるツッコミ・やぶちゃんと、笑いのセンスはあるけどコミュニケーション能力に難ありのボケ・七緒。
芸人としては、一番理想だと思う二人の出会いと別れを書きたかったんですね。
あと、この世には、面白いというだけではどうにもならないこともあるということも。
どんな苦難があっても、プロなら笑顔貼り付けて舞台に立つということを
と、詰めに詰めた結果がこの作品になります。
難しかったのは、最後の結果は最後まで悩みましたが、個人的にはこの作品の正解はこれかなと思ってます。
やぶちゃんも、七緒も、これからどうなるのかは神様しか知りません。
けれど、この二人の十五年は、一番人間として生を感じた時間だったのは確かです。
そして、生を感じた時間を知れた事というのは、幸運なことだと思うのです。なので、多分ハッピーエンドだと私は個人的には思ってます。
最後に、作者お気に入りのシーンを書いて終わろうと思います。
バスタブです。
あと、先輩芸人とのところです。
以上、長々だらだらなあとがきにしたかった文章でした。
読んで頂き、ありがとうございます。
そして、今年のM−1皆さん見ましょう!!!
好きな芸人皆に幸あれ!!!!