• 異世界ファンタジー
  • 恋愛

「いいご身分だな、俺にくれよ」コミカライズにおける副題秘話

主な登場人物の紹介

nama(作者)
編集N氏(コミカライズ担当。この方が再書籍化とコミカライズのお誘いをしてくださいました)
編集S氏(書籍担当。マッグガーデンさんでは、書籍とコミカライズは別々の編集さんが担当されるそうです。そもそも他の出版社では一緒なのか別々なのか知りませんけども)



まずタイトルですが――

書籍では「いいご身分だな、俺にくれよ ~Legend of Isaac~」
コミックスでは「いいご身分だな、俺にくれよ ~下剋上貴族の異世界ハーレム戦記~」

――という形になります。

特にコミカライズに関してマッグガーデンさんでは――

コミカライズする際、副題がない場合はTHE COMICと付く。

――という形になるそうです。

小説家になろうからも様々な作品がマッグガーデンさんからコミカライズされているので「THE COMIC」と付いた作品をご存知の方もおられるかもしれません。
私も「あぁ、そういう事だったのか」と思いました。

その際にコミカライズ担当の編集N氏から

「THE COMICだけだと寂しいので、せっかくですし副題を付けませんか?」

という提案をいただきました。
私としても変化を加えたいなと思っておりましたので、その考えに賛同しました。

その時に私は「嘘ではないけど、少し騙すような形は避けたい」という要望を出しました。
前回書籍化した時のタイトルに「大志」という言葉が使われていたのが引っかかっていたからです。
言葉の意味としては間違っていないものの「大志」という言葉は「少年よ、大志を抱け」というような前向きなイメージを持っていたからです。
「悪い国王を倒して国を立て直す!」という内容であれば問題なかったのですが、いいご身分だなはどちらかというと「悪い国王に仕立て上げて王位を奪う!」という内容なので、ちょっとイメージが合わないかなという心残りがありました。

ですので『今回はそういった誤解を招くようなタイトルには絶対にしない! しっかり意見を伝えよう』という確固たる信念を持ってタイトル決めに挑みました。

まずは書籍担当の編集S氏も含め、私達三人で案を持ち合う事になりました。

・私は主に前回書籍化した時に提案して没になったもの。
・N氏は小説家になろうで人気のタイトルを参考にしたもの。
・S氏はシンプルなタイトルのもの。

それぞれが違う方向性のものを持ちよりました。



 その結果、選ばれたのは――なんと編集N氏の『~下剋上貴族の異世界統一戦記~』でした!



N氏が小説家になろうからのコミカライズに詳しい同僚に相談したところ、そちらの方からも好評で推してくれていたものだそうです。
そこから「『下剋上貴族』って響きがいいよね」という事で意見が合い、副題の主な部分として採用する事になりました。

そしてN氏の――

「ハーレムって付けたほうが興味を持たれやすいそうですよ」

 ――というな魅力的な言葉により、最終的には

『いいご身分だな、俺にくれよ ~下剋上貴族の異世界ハーレム戦記~』

というタイトルに決定致しました!

将来的な展開を考えれば嘘ではないですので、興味を持っていただけるタイトルが一番でしょう。
信念だけで売れるなら前回も売れているはずですしね!
そもそもコミカライズなんて人生初めてなので、続刊の可能性を高めておくのは良い事だと思いますし、人やお金を使って出版してくださるマッグガーデンさんのためにもできる事をやっておきたかったので。
お買い求めくださる皆様のためにも、新規読者の確保は非常に大事な事だと思いました。

また、ロゴを見ていただければわかりやすいかと思いますが、S氏の提案にあったものを「Legend of Isaac」という形で採用させていただいております。
他にも色々と案がありましたが、ある程度わかりやすいものにという方針のもと決定致しました。

他のタイトル案としては

■nama案(前回に転生貴族って入れたいよねと言われたので、それを参考にして考えていました)

・いいご身分だな、俺にくれよ ~転生貴族の反逆メソッド~
・いいご身分だな、俺にくれよ ~転生貴族は全てを求める~
・いいご身分だな、俺にくれよ ~転生貴族は覇道を歩む~
・いいご身分だな、俺にくれよ ~転生貴族は玉座を渇望する~

■N氏案

①いいご身分だな、俺にくれよ ~異世界転生ハーレム戦記~
②いいご身分だな、俺にくれよ ~下剋上貴族の異世界統一戦記~
③異世界貴族の成り上がり英雄譚(英雄譚にハーレムライフとルビを振る)~いいご身分だな、俺にくれよ~
④詰みかけ貴族は転生チートで王を目指す!~いいご身分だな、俺にくれよ~
⑤いいご身分だな、俺にくれよ~弱小貴族は下剋上にて王へと成り上がる~
⑥~いいご身分だな、俺にくれよ~転生したら大貴族の息子だったけれど、正妻の子とどちらか家を継ぐがお家騒動になったので貴族家を乗っ取ることにしました~
⑦いいご身分だな、俺にくれよ~異世界転生したのでハーレムを築きながら転生チートで成り上がります!~
⑧貴族転生者アイザック・ウェルロッドは異世界で天下を望む~いいご身分だな、俺にくれよ~
⑨弱小貴族の下剋上無双~いいご身分だな、俺にくれよ~
⑩いいご身分だな、俺にくれよ~大貴族の侯爵家に転生した俺は、ハーレムを築きながら王を目指す~
⑪いいご身分だな、俺にくれよ~詰み掛けた貴族の俺が最強の王になるまでの下剋上物語~
⑫弱小貴族は異世界で玉座を望む~転生チートで手段を選ばず成り上がります!~
⑬異世界転生下剋上戦記~いいご身分だな、俺にくれよ~
⑭異世界転生国盗り物語~いいご身分だな、俺にくれよ~

■S氏案

・王位簒奪への道
・usurpation of the throne
・Legend of Isaac in Lead Kingdom
・supremacy of Isaac
・その身分をよこせ!

タイトルって難しいですよね。
タイトルの時点で「これ面白くなさそう」とブラバされる(した)事もあるので、初見の方にも興味を持たれる言葉を使わないといけませんから。
その点「下剋上貴族の異世界ハーレム戦記」という言葉は簡潔に詰め込まれているいい副題だなと思います。

コミカライズは「初めて読まれる方でもとっつきやすいようにしよう」と、N氏が村上先生とよく話し合って調整してくださっています。
そのため「漫画から入る読者の方々に『ハレーム』という将来的な展開のネタバレはいいのか?」と迷った時もありました。
ですが序盤からリサやティファニー、パメラと年の近い女の子たちが出てくるので「察する人も少なくはないだろう」と思ったため、採用に踏ん切りがつきました。
なろうやカクヨムでお読みくださっている皆様ならば、先の展開がわかっているだけに違和感なく受け入れていただけるかもしれませんね。



実は家族にはどんな内容の小説を書いているのかをまだ伝えておりません。

『いいご身分だな、俺にくれよ』

というタイトルの時点で家族に打ち明けにくい(そもそも打ち合わせの時にタイトルを言葉にするのも恥ずかしがってます)ので、

『いいご身分だな、俺にくれよ ~下剋上貴族の異世界ハーレム戦記~』

という副題が付いていても、打ち明ける時に受ける精神ダメージはなんとか致命傷で済みそうです。

五年前とは違い、今は父が入退院を繰り返しているので、父の思い出に残すためにも伝えたいのですが・・・。
元々のタイトルの時点でなかなかハードルが高いです。
もし「これから自分も小説を書こう」と思っておられる方は『家族に知られても大丈夫なタイトル』を付ける事を強くお勧めします。
もちろんメンタルの強さに自信のある方は好き放題やってしまうのが一番だと思います。

今回はタイトル決定の裏話でしたが、今後は随時キャラクター紹介などを行っていく予定です。
そちらのほうもよろしくお願い致します!

今年も残りわずか。
皆様、よいお年をお迎えください。

6件のコメント

  • 楽しみにしております!
  • 私自身も村上先生の漫画を楽しみにしています!
    公開の日が待ち遠しいですね!
  • おめでとうございます。良いお年を!
  • Tatu19さん
    ありがとうございます!
    Tatu19さんもよいお年をお迎えください。
  • こんな風に決まるんですね裏話面白いです
    下克上は家庭内、商人、貴族、戦争、王族、種族、年齢等と何度も決めるので内容にあっていて非常にいいと思います
    ハーレムは憧れを抱いたり現実はきびしいと自重が芽生えるのにもはや止まらない流れだったりが面白いのでバッチリです
    ハーレムヒロイン達の戦記でもあるみたいないいご身分的な意味が何個ある感じもいいですね
  • ryuryu1224さん
    今回も前回も「こういうタイトルが人気」というのを踏襲しつつ、候補の中から選んで改良していくといった感じですね。
    下剋上貴族というのはアイザックにピッタリな気がしたので、候補の中ではお気に入りです。
    アイザックもハーレムにする気はありませんでしたが、ドラゴンの交渉から徐々に追い詰められていきましたね。
    書籍版では彼女達の争い(戦記)になるのかも気になるところですね。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する