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近況ノート「歌書よりも軍書に悲し吉野山」 言葉足らずだったので加筆させていただきました。

いつもあたたかくお見守り下さり、心から感謝申し上げます。
一昨日(2024年3月8日)の近況ノート「歌書よりも軍書に悲し吉野山」は言葉足らずであったと気がつき、昨夜(3月9日)加筆させていただきました。
もしもお時間がございましたら、もう一度お目通しいただければ幸いでございます。

私の母は昭和9年生まれでしたが、精神構造は一般的な昭和9年生まれの方々よりも遥かに古風で、その教えを受けて育った私は、母とほぼ同年代(昭和13年生まれ)の徳田虎雄名誉理事長でさえも舌を巻くほど昔の文化に慣れ親しんで育ちました(精神構造は、私よりも徳田虎雄名誉理事長の方が遥かに戦後世代です)。
だから、戦前なら尋常高等小学校の修身の時間に皆が習って知っていることでも、令和の今は違う、という認識がついつい乏しくなり、言葉足らずな分かりづらい文になっていたことに、はっと気がつきました。
これでは楠木正行公に申し訳ない、と思い、急ぎ加筆させていただきました。

よく知られている♪青葉茂れる櫻井の里のわたりの夕間暮れ♪の歌は、明治の文豪 落合直文氏の作詞で、この歌を病棟の食堂でお昼ご飯の時に歌って差し上げますと
「楠公が・・・」
と言ったきり涙に暮れる高齢患者様もいらっしゃいます。

1.青葉茂れる桜井の 里のわたりの夕まぐれ
  木の下陰に駒とめて 世の行く末をつくづくと
  忍ぶ鎧の袖の上に 散るは涙かはた露か

2.正成涙を打ち払い 我が子正行呼び寄せて
  父は兵庫に赴かん 彼方の浦にて討ち死にせん
  汝はここまで来つれども とくとく帰れ故郷へ

3.父上いかにのたもうも 見捨てまつりてわれ一人
  いかで帰らん帰られん この正行は年こそは
  いまだ若けれもろともに 御供仕えん死出の旅

以上が原詩です。
3番の原詩では、正行は元服した若武者の様な印象ですが、実はまだ11歳の子供であったことを表現したくて、敢えて
♪この正行は歳こそは  いまだ十一 幼けれ
 御供仕へん 死出の旅♪
と編曲ならぬ編詩させていただきました。


10年後、その男は還って来た。

4件のコメント

  • 丁寧なご説明ありがとうございます。
  • 舟に提灯を浮かべて、童心に灯に映る思い出に懐かしき音が聞こえたら手を繋ぐ。

    未だ、その灯はともり続けいつか水面に揺れる舟は魂の揺籠のようだ。

    空に故郷はないけれど、空を見ては故郷をおもふ。

    (*´꒳`*)
  • めいき~先生 御侍史

    感に打たれました。
    黒髪を長くなびかせ思索にふける古代中国の才子の様なめいき~先生の御姿が、一幅の絵の様に目に浮かびます。

    この様な時に、もののあはれを知らぬ物言い、お許し下さいませ。
    でも、その恐るべき才能を必ず開花させて下さいませ。
  • 無名の人先生 御侍史

    無名の人先生の様な教養も知識も卓越した御方から、この様な御言葉・・・痛み入ります、を通り越して、穴があったら入りとうございます。
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