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なんとなく思った戯言

『死にたい奴から、かかってこい!』
『命が惜しくば、退け』

どちらのセリフを言うキャラが強いんだろう?

キャラ設定・物語の背景などすべてを無視して
単純にセリフだけを比べた場合、後者の方が強キャラでは?と思う。

多分それが現在の風潮、というか、流行のような気がする。

流行は、およそ10年で繰り返す。
それは音楽もファッションも、あるいは芸術も、もちろん小説も似ている。
古いものが新しく変わり新しいものが古くなって、古いものがまた新しくなる。

その中には必ず『不変』が存在する。
千鳥格子、という柄を思い出してほしい。
千鳥柄は絶えず人気がある。
しかし、突然大流行する年がある。
流行が廃れても、千鳥柄は一定の需要がある。
時代とともに微妙な変化を繰り返しながらも、千鳥柄は無くならない。

千鳥柄は、小説でいうなら『王道』だ。
王道は不変であると同時に、大勢が受け入れやすい普遍と言える。

では何故、『王道』は王道たりえるのか?
物語が王道として語り継がれるためには、
多くの読者の目に留まり(つまりは流行し)
にわかファンが去った後も一定の固定ファンが残る必要がある。
更に、時代が流れても色褪せないのが望ましい。

勿論、王道でない物語にも上記の条件を満たす作品は存在する。
しかし、後世に残らなければ『王道』たりえない。
一瞬でも、ある種のレジェンドにならねばならない。

だが、物語が流行するためには『真新しさ』が重要である。
『普遍』と『真新しさ』
一見すると真逆に感じるが、同時に存在できるのは言うまでもない。

清少納言が枕草子を書いた頃の人間も現在の人間も、
朝陽が照らす薄靄のかかった山裾を美しいと感じる心は同じだからだ。

『普遍』と『真新しさ』を両立させるポイントは
小説なら「構成・キャラ設定」であり「プロット」だ。

小説は『構成』の段階で面白くなるか否か7割が決まるといっていい。
後の3割は文章表現に託される。

今まで観てきたアニメ・ドラマ・映画などを思い出してほしい。
私は、観た作品を自分なりに『構成』したり『プロット』を組む作業を時々する。
するとそこに、『普遍』と『真新しさ』が浮かび上がる。

次に作品ごとに比較する。
「この作品は昔観たあの作品と構成がほぼ同じだけど、キャラ設定が斬新」
「この作品は、今までなら悪役だったであろう人物を主人公にする設定が新しい」
(↑どの作品と明言せずとも想像つくと思いますが)
「今まで考えていた人はいただろうが、まさか書いちゃうとは。今の時代だからこそ書ける作品」
などなど、色んな視点が見えてくる。
既存の作品を『解体』すると、色々な学びがある。

新しいジャンルを自ら切り開くパイオニアは少ない。
繰り返す流行を見逃さず『普遍』と『真新しさ』を描いた作品こそが、王道たりえるのだろうと思う。

とか、日々考えたりするのだが、
私はあまり大勢にウケる作品を書けないから説得力ない気がする。

まぁ、書きたいものを書きたいように書くのが一番楽しいし
それでいいと思いますけどね。








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