葵トモエ

拙作「東の君や永遠に守らむ」のスピンオフ小説です。 「東の君や…」の主人公、りょうが父・土方歳三によってその名を消され、箱館から日野に戻って約１年半後、名を変えたりょうは、松本…

『よしや身は蝦夷が島辺に朽ちぬとも魂は東の君や守らむ』 これは有名な、土方歳三の言葉と言われています。では、『君』とは誰だったのか？すでに東京に移られていた明治天皇？駿府で静かに…

子供にとって、ヒーローは永遠じゃない。ある時期を過ぎれば、それは必要なくなるものでもある。でもその時は、とても大切なもの。息子にとって、そんな存在は、ぬいぐるみのパンダだった。

父が亡くなって10年、母の年金で生活してきた俺。その母の８８才の誕生日、俺は米寿の祝い金を、母の換わりに役所に貰いに行く予定だった。だが、出かける直前、10年間一度も母を見に来な…

行動しようとすると、声が聞こえて、次の行動を決めてくれる。危険なものは避けられる。他人が『第六感』というらしい、この感覚をマオは普通だと思っていた。でもこれはマオだけの特別な感覚…

新選組好きの妻の『推し活』のため、せっかくの夫婦旅行なのに、ひとりで観光する羽目になった俺。悪いが、俺には全く理解できない世界だ。もともと、歴史なんて興味ないし。だが、ひとりでぶ…

島崎勇は、日野に出稽古に行ったおり、瓜泥棒の少年を捕まえた。武士の子だというその少年に、勇は剣を教え、誇りを持てと諭した。 だが幕末の京で、その少年は、勤皇派の商家を狙う盗賊に…

新選組副長、土方歳三が、二代目和泉守兼定、通称『之定』作の刀を所持していたという逸話がある。近藤勇の手紙に『之定』のことだと思われる一文がある。でも、土方歳三が何振りの兼定を所有…