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カクヨム甲子園プロット1/5本ノック

## テーマ

恐怖はSNSからはじまった

己の過去に向き合う

## 世界設定

現代。茨城県あたりの田園風景に囲まれた田舎。

## キャラクター設定

### 主人公

馬白 慎司(ましろ・しんじ)
高校一年生。小学六年生の妹(真琴)がいる。
真面目で浮ついたことがキライな少年。高校受験に失敗したことを切っ掛けに、毎日勉強するようになった。そのためか、同年代の高校生のなかで、偏差値は全国トップクラス。
オカルトについては半信半疑。「タイムマシンがあったら中学生の頃に戻りたい」と思っているが、そのことを誰にも気取られぬよう、表面上はオカルトに対して否定的な態度をとっている。

### ヒロイン

夕樹 美那(ゆうき・みな)
大学二年生。慎司の初恋の人。今は東京の大学に通っている。
一見遊び歩いているように見えて、真面目に勉強をこなす秀才。慎司にとっては姉のような存在。一方、美那にとって慎司はいつまでも幼少期の印象が抜けず、それゆえに気楽に悩みを打ち明けられる存在。
恋をしたことが一度もなく、それを気にしている。
小学六年生の弟(陽夏)がいる。

### サブキャラ

馬白 真琴(ましろ・まこと)
小学六年生。オカルト好き。


夕樹 陽夏(ゆうき・はるか)
高校に入ってから勉強漬けの日々を送るようになった慎司のことが苦手。姉に思いを寄せている。

## ストーリー

 夏のある日、大学生の夕樹美那が帰ってきた。慎司は美那との再会に喜びつつも、美那の母校の高校に進学できなかった自分を恥じて、美那との会話を途中で切り上げてしまう。慎司に突然届いた謎のDMについて相談しようとしていた美那は肩を落とし、家に帰り、陽夏にその話を少しだけする。
 次の日、美那が行方不明になる。慎司は陽夏、真琴経由で美那が話そうとしていた謎のDMについての話を聞く。その日の夜、慎司のSNSアカウントに美那のアカウントからDMが来る。「やっと見つけた」そのアカウントは、美那にも、真琴にも、誰にも教えていないはずのものだった。
 翌朝、慎司のもとにまたしてもDMが来ていた。今度は差し出し人不明、捨てアカウントによるものだろうと思われるアカウントからのもので、一つのリンクが貼ってあった。ネットで検索しても、そのリンクについての情報は出て来ない。慎司はリンク先を開く。そこには、美那の写真があった。パジャマ姿の美那の写真、どこか暗い洞窟の中にいるらしい美那は髪はぼさぼさで頬はこけている。まるで、数日間何も口にしていないかのような有様だった。写真は数秒の後に切り替わり、続いて音声が再生された。それはどこかで聞いたことのあるような、しかし誰のものかは分からない男の声で、

『あなたならできるはずだ。美那にはできなかったが、あなたになら』

 その音声の裏で、小さくヒグラシの鳴き声がしていた。慎司はすぐそれに気付き、近くの山を調べ始める。慎司の暮らす地域にはいくつか小さな山があり、そのあたりではヒグラシの合唱がさかんに行われていたためだ。

 慎司はすぐにそれらしき洞窟を複数発見するが、どこにも美那の姿はない。

 その日の夕方、慎司に再びDMが来る。今度は美那からのもので、
「それで昨日、言いそびれたんだけど、実は変なDMが来ててさ、なんか怖いんだよね。ググっても全然情報出ないし」
 慎司はDMに返信して、美那の話を聞く。
 そうして明らかになったのは、相次ぐ謎の失踪事件だった。なぜだか誰も知らない、怪奇現象。毎夜送られてくるDMのリンク先には知人のやせ細りゆく姿と聞き覚えのある音声があり、タイムリミットを予感させる。

 なんだかんだで慎司は音声データの声が変声期を終えた陽夏のものだと気づく。現象から抜け出すには、過去の後悔を払拭して(後悔の先の今の日常を手放し)新たな日常に踏み出すか、DMによって誰かを現象に巻き込むか。
 解決方法を知った慎司はこれが未来の陽夏の後悔から生じているものだと考え、陽夏に姉への思いをDMで伝えさせる。……結果、現象はなかったことになり、美那は帰ってきた。しかし、慎司のSNSアカウントには未だに未来の陽夏からのDMが送られつづけていた。
「次に後悔を暴走させるのが、あなたでないことを願う」
 その声はまるで、「お前が後悔を残し続ける限り、あの現象はいつ起きてもおかしくない」と告げているかのようだった。

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