「お嬢様! 本当にその格好で舞踏会に参加されるのですか?」
「サダッコ! くどいぞ!」
メイドのサダッコが、私の服装にケチをつける。
今夜は、王宮で舞踏会。
王様主催の舞踏会で、新成人が社交界にデビューする舞踏会なのだ。
貴族令嬢は、ここぞとばかり着飾るという。
ですが、私はドレスなど着ません!
祖父が着ていた軍服をお直しして、軍服姿で参加するのです!
父のワルイーダ伯爵は、金にしか興味のない男だった。
そこで、『ドレスを作るとお金がかかるけど、祖父の軍服ならお金がかかりませんわ』というと、舞踏会軍服参加をあっさり了承してくれた。
軍服といっても、礼装用の軍服だからね。
白いズボンに、金ボタンの赤い上着。
磨き上げられたピカピカのブーツを履いて、レッツゴーですわ!
舞踏会の会場は、王宮のホールだった。
なかなか広い!
楽士たちが演奏し、正装に身を包んだ貴族が大勢いる。
まだ、ダンスは始まっていないが、あちこちで貴族同士が挨拶を交し、社交は始まっているようだ。
私も父のワルイーダ伯爵について、交流のある貴族家と挨拶を交す。
だが、反応は芳しくない。
「卿の娘? えっと……子息ではないのか?」
「ワルイーダ伯爵家のご嫡男は、既に成人されたと記憶して――女か!?」
まあ、仕方がない。
軍服を着た少女など、この世界にはいないのだろう。
ですが、私はこのスタイルを貫きますわ!
「国王陛下! ご入来!」
侍従が国王陛下の来場を告げる。
楽士たちがファンファーレを鳴らすと、会場奥の演壇に国王一家が姿を現した。
ご年輩の国王陛下。
艶然とした女王陛下。
そして、俺が処刑されるかどうかの分かれ道であるキーマンの王子……が……。
王子が三人!?
えっ!?
三人いるの!?
どの王子とヒロインが結ばれれば正解なんだ!?
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試し書きは、ここまで。
書いてみたら、面白くなかった……。
もっとドタバタコメディに頭の中ではなっていたが、TS難しい。主人公の気持ちや状況をどこまで詰めるのか、非常に判断に迷う。書いてて辛い。
これはボツ!