前回の反省を踏まえて、ステータスだけを分離して、もう、一案だしました。
現地主人公のRPG的な冒険物、ハイファンです。
興味のある方は、お読み下さい。
ご感想は、自由にどうぞ。
タイトル候補
『俺だけ見れるステータス~万年ヒラのオッサン冒険者。謎の力を手に入れ、成り上がる!?』
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――誰だって、好きで年を取ったわけじゃない。
――いつの間にか、オッサンになってたんだ。
「いよ~オッサン! まだ、冒険者やってんのかよ!」
女連れの若い冒険者が、俺をからかう。
俺は聞こえないフリをして、やり過ごす。
「あのおじさんは誰?」
「ヒラ冒険者のレナードだよ」
「やだ! あの年で、ヒラなんだ!」
ご紹介ありがとうございます。
俺はベテラン冒険者のレナード。
ベテランといえば聞こえは良いが、ただ、長くやっているだけで、冒険者ランクはずっとEランク――ヒラのままだ。
優秀な連中は、どんどんランクを上げて出世していく。
先ほど俺をからかった若い男の冒険者は、Dランクだ。
Dランクになれば、中堅の冒険者で、この町のギルドでも中軸を担う一人だ。
あいつの新人研修は俺が担当した。
だが、あっさり追い抜かれた。
若い冒険者は、俺が反応しないとわかると、アッサリと立ち去った。
俺のことなど横にいる女に比べれば、大した問題ではないのだろう。
「さて、何か質問はあるかな?」
今日、俺は冒険者ギルドで新人研修を担当している。
Fランクの新人を連れ町の外へ出て、基本的なことを実地で教えるのだ。
テントの張り方。
見張りをする時に気をつけること。
魔物の解体方法。
冒険者の心得的な部分から、仕事の基本的なことを一日で詰め込む。
冒険者ギルドは、新人研修の先生役を俺に振ってくる。
俺が優秀だからじゃない。
安い割に丁寧に教え、普段の行いが良いからだ。
さっきの若い冒険者のように、屋外で女の腰に手を回すようなことはしない。
新人冒険者に悪い見本をみせないように、という冒険者ギルドの配慮だ。
この研修で俺が受け取る報酬は、大銅貨五枚。
安宿に泊まって、食事をしたら消えてしまうが、リスクが低く、確実に報酬がもらえる仕事だ。
低ランク冒険者の俺にはありがたい。
「じゃあ、新人研修は終わりだ。冒険者ギルドへ戻って、受付カウンターで『新人研修が終わった』と報告してくれ。みんな生き残れよ!」
俺は新人冒険者たちを解散すると帰路についた。
新人冒険者たちは、仲間たちとワイワイしながら冒険者ギルドへ向かう。
若いなあ。
うあらやましい。