村田天

　物心ついてからずっと辺境の地で“爺ちゃん“と二人でのんきに暮らしていた少女、リュシュカはある日彼を老衰で失い、自分が大国の王の落とし子だったことを知る。 　忘れ去られた落とし子…

伯爵家に生まれながら魔力ゼロだったミリセントは義母に冷遇され、呪いでカエルの姿にされて家を追い出されてしまう。 身を隠し逃亡していると、山あいの城に住む魔王・フーミュルにカエル…

　放課後黒板を綺麗に消すのは日直の仕事。 　俺が日直になるたび、黒板にある『好きです』の落書き。これは一体なんだろう。───容疑者は隣の席の女。

　小鳩亜子は、祖父が会長であることを隠して入社している二十五歳。 　ある日祖父に呼ばれて自社で結婚相手を見つけてこいと命ぜられるが、本人は恋愛に興味がなく単独行動を好む生粋のおひ…

夏休み最終日。人見恭介は高校を訪れ、同級生の百合川鞠奈のロッカーの中身をこっそり回収しようとしたが、その中身が既になくなっていることを知る。 校内に残っている複数の生徒たち。いい…

クラスメイトの阿久津くんは女子が苦手だ。目も合わせられないし、激しくどもる。ある日それに気づいた私は、彼に『女の子に慣れる特訓』をしてあげることにした。

今日は理由あって家には帰れない。そんな日に大学の同級生の家に集まっていたら、いつの間にか家主と二人きりになってしまった。

中学二年の夏休みに友達四人で水族館に来ていた。 メンバーは私の友達の美憂ちゃんと、彼女の好きな人である、今井君。 それからわたしと、いま目の前にいる四元君。 トイレから戻ったら四…

姉をもてあそんで捨てた酷い男に文句を言って殴るため、会いにいくことにした女子高生、真昼。 しかし、探せば探すほどに、イメージとは違う情報ばかりがはいってきて……というお話。

わたしの好きな人は料理部部長の尾崎先輩。料理の練習と称して自分の作ったお弁当を試食してもらおうとがんばるけれど……？

　三百六十年前に一度だけ勇者が立ち寄ったというのが売りのさびれた田舎村に三十年ぶりにお客さま、しかも伝説の勇者さまが来ることになって大騒ぎ。 　村長の娘であるわたしは脂ぎった三段…

中学の二年間声をかけることもなく見ていた先輩を追いかけて同じ高校に入学した。今度こそ声をかけるために。

クラスメイトで隣の席の永井はとてもぼんやりしている。それなのにある朝わたしに言った。「須藤、髪切った？」誰も気付かなかったのに。