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ソレはダレの心を癒すモノなのか

タイトルはキャッチコピー風なアレです。
ナナエの心、ケンイチの心、エミの心、或いは……的な感じです。
木津根小さんの作品は以下に
https://kakuyomu.jp/works/16817139557278488255

 まず考察したいのはカズマについて、どんな動機があったのか。単純に金銭目的、或いは研究が目的なのか。作品の中で刑務所行きというので、単純な廃棄物の横流しや情報漏洩に留まらない重要性が有りそう。懲戒免職+罰金に収まらない、一発刑事罰を覚悟するかなりの違法性である。廃棄予定の試作品らしいが、実の所研究自体が頓挫していて、外部で秘密裏に研究する環境に最適なシチュエーションとしてカズマが考えた可能性はある。その可能性を考慮したとき、ソレがカズマの心も癒す存在として、作品の拡がる余地を考えられそうである。
 
 次に考察したいのはエミについてである。作品の中でケンイチがエミの言動に驚きを見せるシーンがあり、これがとても興味深い現象に見える。おそらくエミはナナエとケンイチでは振る舞い方が異なっている。ナナエに対しては完全な娘として年相応の振る舞いを見せるが、ケンイチに対しては娘ではあるが秘密を共有する存在としての振る舞いを見せるのでは無いか。エミがエミとして振る舞うなら、ナナエとケンイチで異なる存在である必要は無いはずである。例えば自分に対する事を言及する必要は無く、ただ解らない振りをするだけで良い。ましてやナナエの前でそんな素振りは絶対にご法度のはずで、ケンイチにそう言い振る舞いを見せるのもリスクが高い行為に思える。だがケンイチに対してはそう言い振る舞いが必要なのでは無いか、エミが秘密の共有者であることは、ある種ケンイチの罪悪感を分散させる効果があるのでは無いか。そして、そうしたエミの性質が何に由来するのか、ハードウェアかソフトウェアか或いは……

1件のコメント

  • 初めまして、木津根小です。
    自主企画に参加させて頂き、また、深く考察して下さり、ありがとうございます。
    素人の書いた 拙いお話ではありますが、楽しんで頂けましたら幸いです。
    ありがとうございました。
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