押田桧凪さんの彩色少女
https://kakuyomu.jp/works/16816700427792306754見たものの色を変える能力よりも、その理由に焦点がある感じの作品。
見える物の色を変えることは、言ってみれば嘘をつくのと同じことである。それでは、嘘をつく理由は何なのか。泣いてる友達の為、気に入らない現実を変える為、人を傷付けない様に嘘を付くのが良い事か悪い事か。誰も傷付けないと思った嘘が危ういものだと気付いたとき、嘘が付けない世界が有れば良いと考える。それでも、誰かを慰める為に嘘を付きたくなる。その人は、嘘が嘘だと気付くかもしれない。その人も私と同じ嘘付きだから。それに、これは私の嘘じゃなくて、その人の嘘かもしれない。なら2人して嘘を付いていようと思う。嘘だって知っていても、2人で同じ嘘を付く間だけは本当に出来る気がする。もっともっと濃い夜の色で塗り潰してしまおう。後で傷ついてしまうことが分かっていても、その時を選ぶことは出来るはずだから。だから、夜が明けるまでは、日を落としたままで。