推敲段階でカットしたシーン。
古志加が着替え終わった直後です。
* * *
若大根売「古志加、帯が曲がってるわ……、これで良し。」
古志加「ありがとうございます。」
佐久良売「髪型も結い直しなさい。」
古志加「あっ、この後、大川さまのもとへ挨拶に伺いますので、髪型はこのままでお願いします。」
佐久良売「…………そう。わかったわ。」
古志加の、髪の毛を頭の後ろで一つに束ねただけの髪型は、男ならともかく、女官としてはみっともない。
佐久良売は、古志加の髪型を、女官の髪型へと直させたかったのだが……。
古志加は女官だけでなく、衛士で、あの従者の部下、ひいては副将軍殿の部下なのだから、挨拶にいくと言うのをないがしろにはできなかった。
「恋や明かさむ」
古志加の章
第三十二話 「女官、そして衛士」
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