こんばんは!
時雨青葉です。
9/25の近況ノートでチャレンジしたいことがあると宣言したのですが……
そうです、レビューです。
基本ビビりな自分は、すでにあるコミュニティに入ることができませぬ。
だから自主企画とかにも参加できないのです…。
でも、せっかく出会った物語はオススメしてみたい。
そこで!
まずは好き勝手に、近況ノートでやってみようと思い立ちました!
4週連続、週1更新目標で、計19作品を紹介してまいりたいと思います。
レビュー初心者ですので、文章のできは大目に見てください…(震)
それでは、初回となる今回は「心理描写が秀逸!キャラクターが魅力な作品4選」特集をお送りいたします!
どうぞ~。
◇◆優しくて甘い、透き通る水のような純恋物語◆◇
『君がいるから呼吸ができる』
作者 尾岡れき様
https://kakuyomu.jp/works/16816452219719674555とある事情から過呼吸を起こすようになり、学校に行けなくなってしまった少女。
そんな少女の家に、担任から頼まれてプリントを届けにいった少年。
互いに話したこともない、よく知らない相手。
でも、だからこそ……手を伸ばせたのかもしれない―――
もうテーマで言っちゃっているので重複になりますが、この物語はとても繊細な心理描写が魅力だと思います。
驚き、葛藤、迷い、希望……そういった色とりどりの感情が、さらっと読める文量ながらも本当に丁寧に描かれています。
それを―――もとい、その根幹に横たわっているトラウマを克服するのは、相当に大変なこと。
それでも少女は前向きに、次の自分へと踏み出していこうとします。
そしてそんな彼女を、少年は親身に寄り添って支えていくのです。
とはいえ、お互いに無自覚なこのお二人。
仄かな独占欲や会いたい衝動に駆られながらも、恋の歩みはマイペースのゆっくりさん。
自然に惹かれ合っている当人たちの触れ合いにはもちろんほっこりさせてもらえるのですが、個人的にはそれを見守っている方々の反応を見るのも楽しく……
天然×天然の二人には、ツッコミが追いつきませんね(笑)
〝ユキ〟は〝フユ〟の中で生を受けてきらめき、〝フユ〟もまた〝ユキ〟によって鮮やかな純白に彩られる。
そうしてかけがえのない時間を積み重ねていく中で、互いに春のような暖かくて優しい呼吸をすることができる。
これはきっと、そんな物語です。
◇◆思わずハッとさせられる、新たな観点からの人間ドラマ◆◇
『今日は何を注文しよう? ―社会学カフェへようこそ―』
作者 紫月 冴星(しづき さら)様
https://kakuyomu.jp/works/16816452220158744153あなたは、近くにいる人にどんな印象を持っていますか?
そして今、その胸の内にどんな感情を抱えていますか?
それは自分で見て感じて、明確な根拠を持って思っていることですか?
実はそれ―――あらゆる固定概念やレッテルによって見せられいる、錯覚かもしれません。
この物語は、学校でいつも一人でいる少年に、人気者の少年が声をかけるところから始まります。
どうして人気者の彼が、いつも一人でいるクラスメイトに声をかけたのか?
それをここで述べるのは野暮ですので、どうぞ本編でお楽しみください。
さて、社会学と聞くと、どうしても小難しい印象を受けてしまいますね。
かなり個人的にかみ砕いた解釈となりますが、社会学とは〝人間が集まるとどんな現象が起きて、それが個人にどう影響するのか〟ということを考える学問なのかなーと。
専門書を読むと余計に難しくなりそうですが、この物語では登場人物の解釈を通して、社会学を身近な雑学みたいな雰囲気で教えてくれます。
集団に影響を受けること―――たとえば、空気を読んで周りに合わせることは悪いことなのか?
そういうわけではありません。
むしろ影響を受けてしまうのは仕方なく、あえて影響に流されて生きないといけない時もあるものです。
でもそんな毎日の中で、ふとした拍子にでも〝集団の中の自分や他人〟ではなく〝個人としての自分や他人〟を見つめることができたなら、目に映る世界が違って見えてくるかもしれません。
この物語は、何気ない日常をいつもとは違った姿に見せてくれるんじゃないかと思います。
◇◆複雑で繊細な心が何度も揺れる、深みのある学園ストーリー◆◇
『群青システム ー非日常を求める者達の洗脳計画ー』
作者 織景スウ(旧/黛 織霞)様
https://kakuyomu.jp/works/16817139554741880571人工島にある学園を舞台に始まった洗脳計画。
システムに洗脳された人々は、そうとも知らずに己に与えられた<役>を演じる。
しかしそこで紡がれるドラマは、果たして〝洗脳〟だけによって作られたものなのか―――?
物語が始まるや否や、大事なスマートフォンをハッキングされて呼び出されることから始まる本作。
エピソード1の主人公である少年は、呼び出された先で壮大な洗脳計画を知ることになり……
この作品で魅力に感じるところは、登場人物のキャラクターを引き立てる複雑な胸の内。
第1章は、洗脳計画を主導する4人にフォーカスを当てた話となっておりますが、どのキャラも人間性に深みを感じます。
ほの暗さを思わせる過去や周囲の環境、才を持つが故の葛藤、自分をさらけ出せない懊悩……そういったもので複雑に揺れる感情が、圧倒的な表現力で繊細に描かれています。
洗脳という計画にちょっぴりドキッとしますが、人々に洗脳で与えられるのはあくまでも<役>のみ。
その<役>の中で何をするかは本人次第。
<役>を全うするよう、思考や欲求にバイアスはかかるようですが、どこかの局面で何かしらの決断を下した時―――その決断は、単純に与えられた<役>に準じたが故のものでしかないのか。
まだ序盤しか読めていないのですが、個人的に興味をそそられた点がそこで、その考察もまた面白いのではないかと思っています。
そして読んだ人の考察が絡むからこそ、同じ話でも読んだ時の気分やその時点で得ている経験によって、文章の向こうに見える世界は色を変えるでしょう。
一読して終わりではなく、定期的に返し読みをしても飽きない、とても味のある物語です。
◇◆ゲームの悪役令嬢がリアルの少女を導く、頑張る女の子の奮闘物語◆◇
『最悪最凶の現代令嬢~幼馴染みを盗られた私が悪役令嬢になるまで~』
作者 九戸政景様
https://kakuyomu.jp/works/16817139556560008324転校生に幼馴染が魅了されてしまいました。
このまま都合のいい女扱いで泣き伏して終わり?
なってみせましょう、現代版〝悪役令嬢〟に!!
さて、こんなシンプルな紹介ではありますが、ストーリーの概要はこれだけでしっかり伝わるのではないかと思います。
さまざまな作品がありますが、シンプルに読者へ内容が伝わるというのは、物語の立派な強みであると思います。
悪役令嬢を題材にした物語、昨今は本当によく見られますよね。
自分も何作かそういう作品を読んできましたが、本作で特に興味を持った点は「舞台が現代であること」と「一から悪役令嬢に育っていくこと」の2つです。
そして本作の魅力として挙げられるのは、ゲームの悪役令嬢であるアンジェリカさんの、凛として美しい生き様と考え方ではないかと思います。
絶望のどん底にいた主人公に悪役令嬢にしてみせると言う彼女ですが、何もそれは人道から外れたことをしろという意味ではありませんし、誰の前でも悪役でいろという意味でもないのです。
そしてそんな彼女に導かれながら悪役令嬢への道を歩み出す主人公も、幼馴染みへの仕返しに囚われるのではなく、自分の過去を顧みては、真摯にそれを受け止めて反省する器量のよさを持っています。
さて、この二人は本当に〝悪役〟なのでしょうか?
人を悪役たらしめるものはなんなのか。
それを考えながら物語を楽しむのも、またいいかもしれませんよ。
最後に!
『竜焔の騎士』に新たに★にコメントレビューをくださった@hope-hope様、ありがとうございました!
♥コメントには返信でお礼を言えるのですが、★レビューには返信ができないようですので、この場を借りて御礼申し上げます!
本作は毎日更新で進んでおりますので、そこまで次話をお待たせすることはない……はず、です!!
そして、『竜焔の騎士』第3部は明日で完結となります!
皆様の読書ライフが、少しでも彩られますように…
おやすみなさい!