本日の近況ノート、長め。〈昔語り〉裏話的に。
『霧の國 不知日女』、あと、1万字くらいで完結です。
公開当初は、有名な戦まで描写するつもりはありませんでした。
戦法なんて、わかりませんし。
10万字超えれば、御の字だったのです。
この物語は〈奥三河、奥平一族の史実〉を下敷きにしております。
だいたいの運びは、史実通りです。ただ、〈この事件〉のあと〈あの事件〉なのか、資料が様々で困った場面がありました。それが、ひっくり返ると、人の動きが、まったく違ってきてしまいます。
奥平氏から出した人質。その処刑の後に、若君の、みしるしを奪還した主要人物は乳母であった。
長篠の戦いの前の敵砦へ奇襲した連合軍は、月のない晩に甲冑背負って険しい山越えをした。
それを、ごく最近知って非常に驚いた。
この物語は、その、びっくりを伝えたかったものです。
それと、既存のフウという人の情報に満足できなかったからです。
フウを取り上げた歌舞伎物。
奥平の惣領息子との馴れ初めが、〈彼の酒に酔った勢いで〉です。
でも、フウは最初っから若に憧れでもあったんですかね。好きなんですって。
こういう、〈無理やりなのがいいんでしょ〉みたいなの、やめてくれ~~。で、自分が書くという暴挙に。
史実でも、「人質は捨てた者」って言ったのは、惣領息子という説に萎えかける。
私の物語では、父上に言わせちゃった。言ってなかったら、名誉棄損ですね。
あと、初鹿野氏についても、申し訳ない限りです。
フウと惣領息子は形だけの夫婦だったというのが、本当のところなのかもしれません。
でも、本当のところなんて、誰もわからないから。
史実だってカン違いが伝わってる、かも。
だから、人は妄想する。
あと少し私の妄想に、お付き合いください。