https://kakuyomu.jp/works/1177354054881974448/episodes/16817330657888144761 創世樹 第205話 標に走る 本日朝6:00に更新しました!!
珍しく連続で更新報告。でも決して余裕があるわけではないのです…………。
『三十六計逃げるに如かず』という言葉がありまして、ただ聞いただけでは臆病風に吹かれた腑抜けの策のように感じられるかもしれませんが、僕は戦いにおいて大切なことだと思っています。つまり今回のヴォルフガングの取った行動も理にかなっているわけです。
戦いにおいて大事な事の1つは、相手を打ち倒すこと以上に、自分の身を守り生き延びることだという考え方があります。僕もそう思います。
格闘技の中に『護道』という異色の武道がありまして、発達障害を持つ我が子をお互い怪我をしないように大人しくしたい、という思いから編み出されたものがあります。『先制防御』。目的は相手を倒すことではなく、とにかく自分の身を守ること。その護道の師範の先生による究極的な奥義というものは、敵と充分に距離が離れているなら拳を交えることなくそのまま全力疾走でその場から逃げることだそうです。逃げることは馬鹿にしたものでは無いのです。
某奇妙な冒険漫画の主人公も時には敵前逃亡することもある戦闘スタイルですが、あれは少し違って戦いそのものを放棄するのではなく、取り敢えず逃げてみて敵を倒すのに必要な環境や状況を変えることを試みることなんですよね。作者の先生は本当に頭が柔らかいなあと思います。
とはいえ、この創世樹で実行しているのはヴォルフガング。彼は決して放っておくわけにはいかない。焦って追いかけるリオンハルトに勝機はあるのか。