こんにちは、水城しほです。
閲覧ありがとうございます。
今回は近況報告というより、思い出語りになるのかな。
昨日(7/22)カクヨムさんに投稿を始めて一年になりました。
良い機会なので、色々振り返って記録しておこうかと。興味のない方はスルーでどうぞ!
あ、一番最後にちょっとだけ、今後の見通しを書いています。
◆
私がカクヨムにアカウントを作ったのは、2017年の2月。
登録のきっかけは、とある創作論に評価を届けたいと思ったからでした。
その頃の私は、自分のためだけに物語を書いていました。
色々あって仕事を辞め、再就職が上手くいかず、社会からドロップアウトしていた私に、強いエネルギーをくれた素敵な同級生がいて。
ちょっとだけ前向きになってきて、昔のように創作活動をしたいな、という意欲を持ち始めた頃です。
学生時代は拙いながらに漫画を描いていたのですが、長く離れていたせいで、すっかり描けなくなってしまっていて。それでも何かを生み出したいと、物語を綴り始めました。
(絵より文章が簡単だという意味ではなく、創作から離れていた間もブログは書いていたので、心理的なハードルが低かったのです)
漫画のプロットに近いような描写は、自分だけが理解できる文章。そんなものを他人の目には触れさせられない。
私はDropboxに「壁打ち」というフォルダを作り、書いたテキストは全てそこへ放り込みました。
作品を公開するだなんて、その時はまだ考えられませんでした。
無事に評価を届けたあとはサイトを覗くこともなく、登録した事すら忘れかけていた頃、とある小説と出会いました。
◇
昨年の四月、家人が倒れて長期入院することになり、病院通いをしていた時のことです。
未来に不安しか見当たらなくて、身体よりも気持ちが疲れていて、そんな状態で乗る片道一時間のバスが、本当に本当に辛かった。
毎日、スマホで壁打ちフォルダを開いては、ただぼんやりと眺めていました。書く気力はなかったです。
ある日、ふと「普段読まないものを読んでみよう」と思い立ちました。何故そう思ったのかはわかりません。
普段は開かないサイトへ行って、小説レビューを読み、そして普段は読まないジャンルの作品に指を伸ばしました。そもそも「web小説を読む」という行為そのものが、当時の私には全く存在しない選択肢だったはず、なのですが。
そういう運命だったのだと言われれば、疑わずに信じてしまいそうなくらい、動線は真っ直ぐに一つの作品へと伸びていました。カクヨムに掲載されていたその作品を、ログインもしないまま一気に読み進めました。
ただただ、びっくりしました。
私の経歴、読書遍歴、文体の好み、触れたタイミング――色々な要素が重なったところに、奇跡のようにその世界が飛び込んできました。
小説という媒体で、あんなにも心を掴まれた事がありませんでした。暇さえあれば読み返して、その度に愛おしくなって、何度も何度も泣きました。
それは私にとって、人生を変える魔法でした。
◇
商業出版の作品であれば、編集部気付でファンレターを書いただろうと思います。滅多にやらないことですが、それでも、きっと。そのくらい強く愛着を持っていました。
ですが、いわゆる「読み専」ですらなかった当時の私は、web作家さんにどう伝えれば良いのか、そのお作法がわかりませんでした。某所のお作法「半年ROMれ」という言葉が脳裏を過ぎります。違う、そうじゃない。半年も感想を書けなかったらさすがに嫌すぎる。
でもさー、カクヨムのヘルプに書いてあるわけでもないじゃないですかー! 好きだから伝えたいのに、不愉快にさせるのやだよー!
そうやってあれこれと迷っているうちに、気が付きました。そもそもの問題として、私の愛着はあまりにも重すぎる感情として育っているのではないか。これを直接、作者にぶつける……だと……?
いけない、それはさすがにドン引きされる。別に怖がらせたいわけじゃないんだ。ごめんなさいごめんなさい、私は別にストーカーでも狂信者でもないんです。あやしいものではございません。
じゃあ軽く、ライトに、サラッとさりげなく伝えればいい? 一言「よかったです!」だけで?
いや、今ならわかるんです。私が貰う方ならそれでも嬉しい。感想くれ。反応くれプリーズ。
でもこちらとしては、そんな簡単に済ませてしまえるような心理状態ではなく――そういうところが重いんだぞと、我に返って眩暈がしました。萌え語りが始まると、唾を飛ばしながら早口でまくし立てる知人を思い出して、完全に涙目。
いや、今ならわかるんです。私が貰う方ならそれでも嬉しい。感想くれ。反応くれプリーズ(二回目)
ああ、もうコレはアレだ。知ってる。
こういう感情は、自分の作品へ込めるしかないんだよ。
そんな若い頃の持論が自然に飛び出してきて、何だかくすぐったくなりました。
書きたいものが溢れて、それはすなわち、生きる活力でもありました。衝動というエネルギー。
灰色からやっとカラーになったのに、また灰色に戻されていた私の世界が、霧が晴れるように鮮やかになっていく。
本当に、とんでもない魔法をかけられたものだと、今でも思います。
そうして私は十数年ぶりに、他人へ見せるための文章を綴る事になったのでした。
【魔法使いと出会った話。】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886455059 そんなわけで、半フィクションです。今でもこれを書いている時の気持ちを思い出すと、胸の奥が少しソワソワしますね。
でね、この重苦しいファンレター、先方様に届いたんですよ……私が距離感を掴めてなかったせいなんですが、結局はこれ以上ないくらいに重い伝え方になってしまったわけで、いま思うと全く笑えない話。
作品としては気に入っているし、書いた事は後悔していませんが、ときどき悶絶しております。私のアホー!!(絶叫)
……アヤシイモノデハゴザイマセン。ホントダヨー。
◇
ただ作品を公開するだけの場所だと思っていたのに、感想を残して下さる人が増え、そこには人間同士の交流があり、気がつけば「友達」と呼べる人まで現れた。
たった一年前にはとても考えられなかった状況、なんだか不思議な感じがします。
書いて良かった、書き続けて良かった。心からそう思います。
家人の退院等を経て、執筆に時間を取り辛くなってしまったけれど、一人でも読んでくれるうちは書き続けていこうと決めています。
この一年、私の言葉に触れてくれた方、本当に本当にありがとう。
もしよかったら、これからもよろしくね!
まだまだ書くよー!!
◆
【現在の執筆状況と今後の見通し】
・初キスは冬編の五話目を執筆中
・長編ネタが三つある
・男性恐怖症のネトゲ恋愛、リアルもあるよ(ややエロ)
・煮え切らないカップルと小学生男子の幽霊で三人暮らし
・面倒事に巻き込まれる系の男子高校生、アオハルなのかどうなのか
・以前非公開にした花のやつ、また公開するかも(がっつり改稿すると思う)
今のところはそんな感じで考えています。
それではまた、近いうちに!