もう師走も半ばですね。一年過ぎるのが本当に早いなあと思います。
さて。これまで毎年クリスマスに合わせてクリスマスストーリーをアップし続けてきました。
2010年 五つの指輪(えとわ第133話)
2011年 カンバセーション・ピース(一葉館春秋 第一部)
2012年 クリスマスカード
2013年 子守唄(へっぽこ探偵中村操の手帳 第一部第14話)
2014年 プレゼント
2015年 思わぬ贈り物(へっぽこ探偵中村操の手帳 第二部第2章)
2016年 十年キャンドル
2017年 クリスマスソング宅配サービス
2018年 栞(えとわ第1083話)
2019年 もみの木
ということで、今年は『ポインセチア』をお届けします。七万五千字ほどの中編です。
『ポインセチア』は、三年前に書き始めたものの序盤で筆が止まってずっと塩漬けにしてあった作品です。筆が走れば二、三日で十万字を書き切れるんですが、一度どつぼにはまるとぴたっと筆が動かなくなるのが創作の怖いところで。ええ。(^^;;
わたしが苦戦したのは、灯りの色形、置き方がどうしてもしっくり来なかったから。積み残しだった部分をががっと埋めて体裁を整えましたが、本音を言えばまだあちこち引っかかるんですよ。でもこれ以上寝かしたところで熟成せずに腐るだけ。若干の違和感はそのまま残して、みなさんにお届けしようと思います。
◇ ◇ ◇
主人公は、横井和久という45歳の中年男性。場末のスーパーの店員です。彼の一人語りの形で話が展開していきます。いつものわたしのスタイルですね。
章立てなしの全22話。それを一日2話ずつアップしていきます。あとがきを含め、12日かけてお届けします。
書くのがわたしですから、決して直球の話ではありません。今まで書いてきた中では一番辛気臭いかもしれません。そうなったのは、できるだけ今の世相を忠実に反映したかったからです。
安易に『希望』なんて口にするなとのたまう方は、決して少なくないと思います。でもね、暗黒下で何も見えない時ほど誰でも灯りを探すんです。そういう観点から、わたし自身が真っ暗な穴蔵の底に降りて本作を書いたつもりです。
楽しんでいただければ。(^^)